和食

大和屋 おそばの会

そば好きならば誰もが、一度は食べてみたいと願う“そば打ちの神様”こと広島県の「達磨 雪花山房」の高橋邦弘氏が生み出す絶品そばを心斎橋大丸北館にある明治10年創業の大和屋さんの料理と共に味わうというイベントに参加。毎年、新蕎麦の出るこの時期にお呼ばれいただく。

大和屋さんは芸者置屋を母体とするお茶屋として、1875年(明治8年)に宗衛門町に南地大和屋を開業。能舞台を持つ料亭として大阪で最も格式の高い料亭としての地位を築かれた。宗右衛門町の本店は2003年に閉められ現在は大丸心斎橋北館と横浜、東京にお店を出されている。

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日本を代表する老舗料亭の料理と高橋邦弘名人の蕎麦のコラボは今回で24回目と言っておられた。私も今年で4年連続で相伴させていただく。

お店の中に入ると高橋氏がカウンターテーブルにきちんとはめ込まれた特製の蕎麦打ち台の前で蕎麦を伸ばされていた。麺棒は3種類を使い分け丁寧にかつスピーディな仕事は何度見ても飽きない。すべての所作が無駄がなく美しい。このメイプルの麺棒はスポーツ用品のミズノが彼の為に特別に作ったと聞いたことがある。弟子さんと思しき方がその横で水まわしをされていた。それをしばし拝見して着席する。

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献立の最初は水蕎麦。蕎麦をそのまま出汁につけずにいただくという趣向。透明感のある蕎麦が空腹の胃に優しく入っていく。。

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2段になった上の重は銀杏豆腐にズワイ蟹の身を載せたもの。口取りは合鴨ロース煮、カステラ玉子、銀杏松葉刺し、もみじの形をした銀杏煎餅。。造りは塩をあてた鯛。あしらえは白茸に紅葉おろし、スダチとポン酢ゼリーでいただく。

どれも丁寧で食べ応えのあるしっかりとした仕事で料亭の凛とした風格が伺える。

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箱の下段は鰆の吟醸焼きと献立に書かれていたが多分、西京味噌につけたものだと思われる。身はしっとりとして味噌の浸かり具合、火入れもドンピシャ。かつら剥きにした大根はウサギを模している。

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炊きあわせは煮鮑。食材も仕事も素晴しい。丁寧に戻されてコクのある出汁でしっかりと煮込まれている。本当に「美味しいなあ」と思われる一品。鮑の下はもっちりとした蓮根餅。一見中華料理の風情だけど味は完全に和食。かなり研ぎすまされた商品である。

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揚げ物は車エビと穴子の鳴門揚げ、馬鈴薯の三種盛り。どれもがエクセレントな仕事と美味しさ。。

ここで蕎麦が登場。。

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出てきた蕎麦は約2ミリの幅。麺線も美しく色は白く、かつ薄緑に光り輝き、固くなくてモチッとして弾力とコシがあり上品な蕎麦の香りもあとから鼻に抜ける。表皮は完全に取り除かれているのでかなり上品な食味なんだけど芯まで使うので味はかなり深いと思う。名人の蕎麦は薬味は全く不要。。

汁は甘さ控えめだけど関東の汁のように辛くなく柔らかで角の取れた優しい味わい。食べながら蕎麦の味、蕎麦粉と小麦の割合、舌触りとコシ、のど越し、汁を自分の頭のなかにインプット。お替わりもして2枚いただく。

いつものように名人があとから挨拶に来られて蕎麦の解説をする。彼が打つ蕎麦はすべて二八といっておられた。材料の蕎麦は北海道、長野を始めいろいろな地方のものをブレンド。その理由を直接聞くと、その年によって蕎麦の実も出来不出来があり複数の産地で仕入れる事で品質を安定させるらしい。また香りがいいけど味が不足のものなど産地によって個性がありそれを組み合わせる事で最高の蕎麦となると言っておられた。

当然のことながら製粉と水にも徹底的にこだわりそのために東京から広島の田舎に移られたと前に言っておられた。この日使う水も広島から持って来られたらしい。

自身の広島の店の裏に、蕎麦を管理する低温倉庫があり仕入れた蕎麦粉を産地別に分けて水分量を測り、そばの状態が一目で判るようにしていると前に言っておられた。
そのそばを自ら皮をむいて石臼にて製粉する。3キロの蕎麦を1時間かけてゆっくり挽くらしい。芯まで使い切る事が美味しさの秘訣とも言っておられた。

皮むきが徹底しているから蕎麦に雑味がなく色も香りも透明感があるというわけである。
がくを取る作業は邪魔くさく、まるごとひいてしまう店も多い中で彼の仕事は驚異的である。。

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デセールは揚げ蕎麦饅頭。。。ごちそうさまでした・・・

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食事の後はいつものように階下の丸福珈琲店で濃いーコーヒーをいただく。。。

大和屋本店懐石・会席料理 / 日本橋駅近鉄日本橋駅長堀橋駅

夜総合点★★★★ 4.0


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海鮮房 井乃芳

某会の会合で和歌山県の南部にある表記のお店を訪問する。お店は国道42号線に面していて看板も大きくて分かりやすい場所にある。

1階はテーブル席と座敷、2階は広間になっている。

南部で有名な南高梅はこの地の名産物。友人が自家製の梅酒を振る舞ってくれた。南部市では乾杯は梅酒でおにぎりの具は梅干しと条例で決まっているらしい。

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鯛の子や鱈の子茄子の田楽などの前菜はかなり美味しい。海の目の前に位置してるので雰囲気も抜群。太平洋を見ながらいただく食事は気分があがる。

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でもお造りは普通だった・・・(残念・・)

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松茸の土瓶蒸し。。

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地元でとれる赤足海老の湯がいたもの。タルタルソースと相まってとっても美味しかった。お店はかなり古いけど掃除が行き届いているんで気にならない。

お昼はハゲやヒラメ、カンパチ等、みなべ沖で揚がった魚介類が登場する『地魚定食』がお勧めらしい。

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天ぷらは普通だった・・・

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松茸の入った茶碗蒸しが出て御飯と赤出汁とフルーツで終了。飲んで食べてお一人様6000円でした。もう少し費用をかけると目の前の海で捕れた自魚やクエやフグや蟹とかも出てくるらしい。

特急電車は一時間に一本のみ。2時間かけて帰阪する。

和歌山県日高郡みなべ町埴田1421-21
0739-72-5151
営業時間
am11:00~pm2:30
pm4:30~pm9:00
定休日:水曜日

海鮮房 井乃芳魚介・海鮮料理 / 南部駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5


カテゴリー 和歌山県, 和食 |

櫻池院 (ようちいん)

ランニング合宿で今回お世話になった櫻池院さんは1100年代に、 白河天皇第四皇子覚法親王によって作られ今の本堂の建物は当時のものが現存しているらしい。

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高野山の中では大門の方に位置し、伽藍や霊宝館(宝物館)に近く、 朝夕の散歩に最適のロケーションにある。 こじんまりとした建物は落ち着いた宗教的雰囲気を失わず提供される精進料理は、季節によって内容を変え、素材の味を大切にしているとの説明。

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ランニングのあと大浴場で汗を流しお楽しみの精進料理を食す。スペインやイングランド、オーストラリアから来られた外国の方も一緒に大部屋で相伴する。

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朱塗りのお膳に並べられた食事は質素であるがしっかりと手がかかった贅沢なもの。粟麩と蓬麩の田楽や栗の渋皮煮、菊花大根など料理店顔負けの献立が並ぶ。

私どもも仏事料理の専門店を経営しているがここまで本格的ではない。仏教では僧は戒律五戒で殺生が禁じられており、大乗仏教では肉食も禁止されたため、僧への布施として野菜や豆類、穀類を工夫して調理した料理が精進料理といわれる。

精進料理は食べる人を心からおもてなしし喜んでいただくために旬の素材を使い、そして大切な食材を無駄にしないように丁寧に、手間を惜しまずつくられる。
故に食べる側もつくってくれた人、食材に感謝しながらいただく。

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高野豆腐と野菜の炊きあわせや精進揚げ、茄子の煮浸しや卯の花など御馳走が並ぶ。隣のスペイン人は器用に箸を使いながら最初のうちは正座ながら食していた。

丁寧に真心をこめてつくられているのは食せばわかる。見た目にも美しく栄養のバランスに優れた精進料理は外国人にはヘルシーフードとして写るのであろう。

お酒は般若湯とよばれビールは泡般若と言うらしい。仏教では食も修行の一貫として考えられる。お酒を飲むのも修行のうちと少しこの日も飲み過ぎてしまう。

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夜は役僧の方が近くにあるライトアップされた金剛峰寺(こんごうぶーじと読むらしい)や大伽藍を案内してくれた。6時半から本道での勤行に参加。外国人も正座で一緒に般若心経を読む。「高野山は祈る場所で京都は観光する場所」との英語での住職の解説のあと皆で阿字観をする。真言宗に伝わる瞑想法で真言禅とも呼ばれてるらしい。いわゆるメディテーションで自分の心と向き合い心の中にある仏と話をするんだけどなかなか難しい。

この宗教体験には外国人も大喜びのようであった。

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勤行のあとの朝食もとても美味しい。身体が浄化されて行くのを感じる。清潔な部屋に厳かな雰囲気と健康によい精進料理。料金は11000円でかなりリーズナブルと言うかコストパフォーマンスに優れる。

 

 

積雪のある時期や紅葉の季節もいいと思うな。

和歌山県 伊都郡 高野町 高野山 293
TEL:0736-56-2003 FAX:0736-56-3628

櫻池院精進料理 / 高野山駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5


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