寿司

鮓きずな

連休の合間に京橋にある表記の寿司店を訪問。京橋では広川とならぶ高級人気寿司店。駅から北に徒歩10分の商店街のはずれと言う悪立地だけど1ヶ月前からの予約で席を確保。6時からと8時45分からの2回転。6時に店のシャッターが開き一斉入店。

店内はL字型のカウンター14席。
高下駄を履いた40代と思われるご主人とお弟子さん2名と女性のお運びさんの4名体制。ご主人は明石の名店菊水鮨で修行をされたと昔に聞いたことがある。

食事は一斉スタートでご主人がネタをカットして準備担当の弟子さんが人数分大皿に揃えられるシステム。最初に瓶ビールを頂いてからコースの扉は愛媛県産ひらあじの棒寿司。続いて鳴門あわびと青森産岩海苔の蒸し物。海苔の風味が抜群に良かった。。

お造りは有田焼の陶板の上に供される。今が旬の鯛、ハリイカ、アイナメの3種を塩と醤油で食べ比べる。アイナメには柔らかな酸味のポン酢ジュレが載せられる。続いて五島列島産の太刀魚のヅケには青ネギを刻んだもの、淡路産鰆のヅケには山形県のハーブ研究家の和がらしが薬味として添えられる。続いて明石たこの柔か煮と初めて頂くハリイカの肝のルイベと続く。

ホタルイカを使用した寿司屋のリゾットは腸の旨味が寿司米に染み込んでハーブのような香りと相まった初めての味わい。松の司という純米吟醸酒と合わせるといいマリアージュ。続いて年中食べる事が出来ると言われる北海道仙鳳趾産のぷっくりと肥えた牡蠣を蒸した一口寿司。明石産の焼き穴子はそのまま食べるものとと宮崎産の一番摘みの焼き海苔で巻いた磯辺焼き風のものと2種類供される。

宮城県閖上の赤貝のミニ丼、のれそれ(穴子の稚魚)の素麺仕立て、和歌山産初鰹(私は苦手なので鰆に変更)、シャリシャリ食感の青森産糸もずくのジュレ寄せは酸味が口直しになる。鰆の骨でとった出汁で作った岡山産椎茸の茶碗蒸しと続く。

寿司はネタとシャリの間に肝を挟んだカワハギから。古米を使用していると思われる粘りのないパラパラのシャリは熟成させた赤酢を使用。旨味は強いけど独特のすえた匂いが私はどうしても気になる。このパンチのある個性的なシャリに負けてしまうような繊細な食味のネタはすべて造りで供されておられるというのがあとから理解出来た。熟成された天然の縞鯵、小鯵の葱醤油添え、千葉銚子産のマグロの漬け(私は遠慮)など。お酒は香川の凱陣を奨めていただく。

天草のコハダは1枚付け。かなりの手間ひまをかけておられるであろうと推察されるしっとりとした絶妙な〆加減にビックリ。富山産の白海老の昆布締め、よく肥えた旨味たっぷりの九十九里の煮蛤、明石産の煮穴子は甘さ控えめの大人な感じのスーパードライタイプ。釧路の濃厚な海水雲丹とコクがあるけど少しさっぱりした感じの淡路の黒雲丹を合わせた贅沢なミニ丼。お酒は山口県の 貴を奨めていただく。

白身魚と芝海老が入ったスフレ状の玉子、トロと沢庵を合わせた手巻き寿司(私はかんぴょう巻に変更)、あおさのりの入った赤だしでフィニッシュ。追加握りも注文出来るがこの時点で歩けなくなるくらいお腹いっぱい。


握りながらもシャリのコンディションを常に確認。何度も櫃に移し替えたり細やかに提供される。アテと寿司を約30品目以上いただき、2人で瓶ビール2本とお酒4合頂いて一人15000円くらいのお勘定。北新地価格の約半分。気がつけば2時間半経過しておりました。予約は取りにくいけど1〜2名だとキャンセル待ちも一つの方法かな。

大阪市都島区都島南通2-4-9
06-6922-5533
定休日 月曜日・第3火曜日

鮓 きずな寿司 / 京橋駅JR野江駅大阪城北詰駅

夜総合点★★★☆☆ 3.0


カテゴリー 京橋, 寿司 |

すし豊 4月

大阪で有名な飲食コンサルタントの先生と一緒に阿倍野にある表記の店を訪問。カウンタ−8席と小上がりだけの昭和な寿司店。値ごろ感もあってご主人が楽しいので普段から一番良く行く地元のお店。

ご主人とご子息、奥さんだけの絵に描いたような家族経営。最初に生ビールを頂いて生もずくを所望する。普段は和歌山のものだけどこの日は徳島産と言っていた。さっと湯がいた熱々のもずくをを鶉の玉子の入った汁につけて頂く。シャリシャリした食感と磯の香、生山葵の辛味がとてもいい。食べ終わったらもずくの香りとエキスの入ったタレに同量の夏の間に仕込んで冷凍した鱧の出汁を入れて頂くという趣向。

酢味噌の塩梅が口に合うホタルイカと静岡産の旬の桜海老の造りを頂く。海老は髭をちゃんと取っているので口に刺さらない。独特のかそけき甘味と噛み締めたときの海老の旨味が口の中で広がり、人肌に燗していただいた白雪の本醸造ととてもよく合う。

今シーズン最後の水槽で泳ぐ琵琶湖の本モロコを炭火焼で頂く。塩を入れた氷水で活締めしてから炭火でじっくりと焼き込む。食べる前にご主人から食べ方の指南が入る。最初は唐揚げ状態になった頭だけをかじって日本酒を口に流し込む。続いてお腹の部分を頂いて最後に尻尾を食べる。三杯酢をつけて頂くんだけど日本酒が進みまくる佳品。

握りの扉はいつものように大阪湾のハリ烏賊。中に胡麻が鋳込まれていて塩と酢橘で頂く。ぱりっとした食感とあっさりした食味が特徴。紅葉おろしとポン酢で頂く平目の縁側は大好物。締めたヒラマサを巻き込んだ蕪寿司は天王寺蕪を使用。「味が三回変わってから飲み込んでね」とご主人の弁。最初に蕪の酸味を感じて次にヒラマサの旨味、最後に唐辛子のピリっとした辛味を感じる。このお店ではこれを「味の三段ロケット」と呼ばれる。

初夏の訪れを感じる瀬戸内産の平子いわしはすし飯にとても良く合う繊細で優しい身質。江戸前の仕事をした煮蛤も上質。片面を炙ったカンパチも脂が甘くて日本酒がよく進む。握りながらも客が飽きないように魚の話や食材の話をいつも熱心に聞かせてくれる。

続いてふわふわの身の紅ずわい蟹、自家製の唐墨の擂り下ろしを挟んだ貝割れ大根。この時期ならではの鯛の白子も椅子から落ちそうになるくらいふわふわでネットリしてコクがある美味しさ。鯖の漬けはこの時期ならではの上品でさっぱりした脂ののり。「この店で一番柔らかい寿司」と言って出される300gオーバーの鮑を2時間かけて蒸しあげる煮鮑。

「この店で一番固いよ」といいながら提供される口の中で暴れ回るイクラは岩手県の産卵直前の川に遡上する前の完熟卵を1年分塩漬けして冷凍する。冷凍することで塩が熟れていい塩梅となるらしい。

「口の中で溶けちゃう穴子」は熱々のふわふわでスフレ状態。「提供されて15秒以内で全部食べてね」とのことよ〜熱いうちに食べてね〜」と言いながらさっと炙って塩をかけて供される泉州産の脂乗りまくりの煮穴子。最後はこの店のスペシャリティの烏賊の印籠詰め。 ヒイカの両端に卵、真ん中に白子が入っている。軽く炙られた烏賊は柔らかくて香ばしくて部位によって味と食感が異なるこの店ならではの唯一無二の美味しさ。

お酒が少し残っていたので自家製唐墨を頂く。下から鮎、平目、ボラ。。。途中で作りかけの鯛の唐墨を見せてくれる。。卵の黄身の唐墨も作った事があると言っていた・・・(味はイマイチらしい)

お酒をしっかりいただいて会計は一人1万円弱。来週からは和歌山の稚鮎が登場。ご主人の 名前は安田豊次、だから「すし豊」。いい店です。。過去のすし豊はこちら

大阪市阿倍野区王子町2−17−29
06-6623-5417
営業時間:17:00~24:00
定休日:木曜日


カテゴリー 松虫, 寿司 |

きわ心

友人と表記の寿司店を訪問。中崎町の北野病院の北側の路地に位置する。最近いろいろな方から奨めていただくホットなお店。カウンタ−8席のみで開店して5年目との事。コースは7000円とのこと。

お酒を頂く前にシジミ汁がでる。こんな小さな心遣いが嬉しい・・・先付けは旬の桜えびと新玉ねぎのスライスしたもの。寿司屋で玉ねぎスライスは初めてかも知れないが悪くはない。湯がき立てのホタルイカの酢味噌和え、生の鳥貝を炙ったものと続く。角切りにした自家製の生姜酢漬けもアテにぴったり。カウンタ−のなかには古い氷冷蔵庫が鎮座。

この日は最初から最後まで日本酒を楽しむ。寿司に合う純米酒等の食中酒が中心でどれを頂いても食事の邪魔をしないものばかり。この日は5合頂いた・・・

大きな原木椎茸を焼いたものと太刀魚の炙り。旬の春日鯛を軽くボイルしたものに酢みそをかけたものはふわふわの身質に感動。お造りは淡路産の軽く締めた鯖、蛸、皮を炙った金目鯛の3種盛り。この時期の鯖はさっぱりして辛口の純米酒との相性は最高。下に敷かれている海葡萄もつまみにいい。

寿司の扉は富山産の白海老から。旬の細魚はかなり大きなサイズでコリコリ。三つ編みにされたコハダも日本酒が進みまくる。淡路の黒雲丹を匙で食べてその余韻の残っている間に剣先烏賊を食べるという趣向。煮鮑、炙られたタイラギ貝と続き最後はカステラのような玉子とピリ辛の野菜巻でフィニッシュ。

会計はお酒込みで1万円弱のハイコスパ。女将さんが優しくて少し話しただけでいい人だと判る。。帰りは外までお見送り。。ごちそうさまでした。

大阪市北区中崎1-1-22
06-6311-9556
営業時間: 18:00~23:00

きわ心寿司 / 中崎町駅扇町駅天満駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5


カテゴリー 中崎町, 寿司 |