寿司

富久佳 別館 お寿司 和迩

8年前に地元のボクシングジムに通い出し、生来格闘好きなせいもあって結構はまって1年くらいでスパーリングをするくらい迄まで上達。ある日の練習中に、母親に連れられて小学校6年生が入会。おとなしくて全くしゃべらずいつも黙々と練習。小さくてどこにいるか判らんような子供だった。この6年生がいつの間にかプロになっていつのまにか新人王を取ってジムの興行のセミファイナルに登場。

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リングサイドで観戦するも見事ノックアウト勝利。自分ごとのように嬉しく涙が込み上げる。その感動を引きずりながら日本橋にある表記の寿司店を訪問。ウラなんばの路地にある本店は驚きの超人気店になり、いまや予約がないと入れないくらいになっている。此方の店はその2号店で「鳥鹿」さんのウラ隣のビルの2階にある。

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最初にビールをいただくと座付きに大根とスジ肉の炊いたものと南蛮漬け、トビアラ海老の揚げ物と鰯の炊いたものなど。これだけでお腹がいっぱいになりそう。

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ここの店のウリは伝助穴子で過日産經新聞で歌舞伎の中村壱太郎さんがひいきしていると書かれていた。まずはシグニチャーメニューの伝助穴子の薄造り。キュッとした身は淡白だけど旨味もあってポン酢でいただくと日本酒がよくすすむ。

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そのあと貝好きの私は赤貝と帆立貝柱を所望。どちらも新しくてとても美味しい。お寿司は頼まなかったけどお得な上握りと特上握り5貫が入った盛り合わせもあってそれがおすすめと言っていた。

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お店のオーナーが今日の平目は「むちゃむちゃ美味いから食べてみて」というのでいただいたら脂ののりが素晴しくてネットリした身から綺麗な旨味が口の中で炸裂する。

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明石の蛸は先っぽを握ってもらう。プチプチした吸盤の食感がとてもいい。

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鰻の白焼きの握りも脂たっぷりで咥内と食道にエキスがまとわりつく。それをひやおろしでさっと洗い流して次の寿司をいただく。

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平鯛は雪塩を掛けて頂く。程よく熟成感もあって、真鯛とは違った脂の甘さがある。

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最後に伝助煮穴子(1貫680円)を所望。見た目のインパクトもあってトロトロに煮込まれていて柔らかいのは見ただけで判る。一口でいただくと煮詰めと穴子とシャリが渾然一体となり本山葵は軽くその存在を示すだけで咀嚼するたびに穴子から魚の脂が滲み出て飲込む間もなく口の中でほどけていく。

食べ終わるとご主人がおもてまででお見送り。中国人マッサージ店のHな看板を横目に見ながら帰路につく。

大阪市中央区日本橋1-3-13 女将まち 2F
06-6212-0482
17:00~0:00
定休日水曜日


カテゴリー 日本橋, 寿司 |

高雄

工事中のなんば新歌舞伎座の横くらいの雑然とした場所にある大衆寿司店を訪問。見た目はあまり良くない感じ。L字のカウンタ−10席くらいの狭小店。奥さんとご主人でされている。ランチのセットや盛り合わせが低価格で販売されているのも有名。

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ビールと一緒に海老の握りを所望。肉厚の冷凍ブラックタイガー。独特の臭みがあるんだけどこれが子供の頃の記憶を思い出させる私のノスタルジックフード。

私の両親が地元で寿司店をしていて夕方に小学校から帰る私のおやつに母がいつも海老の握りを作ってくれた・・・甘いものを食べる習慣がなかったから世の中の子供はみんな学校から帰ったら海老の握りをおやつにしていると思っていた。

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目の鯛の皮があったのでそれも所望する。鯛の身を乗せてポン酢ジュレがかかる。ご飯も小さく飲んだあとの〆にいい。鯛の皮の握りも父が好きだったと懐かしむ。
店の壁に短冊メニューが沢山並んでいます。お任せで一通り食べる方も多いらしい。

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平目の縁側はけっこう普通。

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小肌は生姜醤油とテラ昆布を乗せて2つの味を楽しむことが出来る。食事というよりはおやつ代わりに寿司をつまむのにいい店。

大阪市中央区難波4-3-10
06-6643-6878
12:00〜23:00


カテゴリー 難波, 寿司 |

こいき 10月

四天王寺夕陽ケ丘駅3番出口から徒歩1分。熟れた庶民的な雰囲気とご主人のキャラが大好きで季節ごとに訪問している寿司店。とても几帳面な方で昼間はいつも店の掃除をされている。店内はカウンタ−10席のみ。最近は大人気でなかなか席が取れないことが多い。日曜日はネタが少ないけど予約は比較的狙い目。

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最初はいつもの通り徳島産の蒸し鮑。大振りにカットしたものを一口でいただくと口の中に独特の旨味が広がる。肝も秀逸。藻塩を少し付けてからいただく。夏に済州島に行ったときに養殖のアワビを食べたら肝は食用禁止と言っていた。養殖場の衛生状態が悪いために水銀だらけらしい。身も生食出来るものは限られていて中国人観光客は気にしないので高価で売れまくると言っていた。

続いてセロリと剣イカの足の和え物はさっぱり(さ〜パリに行こう!)軽く霜降りされた牡蠣は最近よく見る仙鳳趾のもの。身はしっかりと締まっていてプリプリの食感で甘味も強くて濃厚な味。

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和和和という純米吟醸美山錦のひやおろしを所望する。特有の芳醇でふっくらとした丸みのある味わいはこのお店の食事にとてもよく合う。トコブシの煮付けは鮑と違ってさっくりとした歯切れのいい食感で、同じような貝でもここまで味の異なりがあるのかとビックリ。

ピンピンに光る秋刀魚はスタンダードに塩焼きにしてもらう。遅きに失した感があるが今季初の秋刀魚に舌が喜ぶ。巨大な甘エビを昆布〆にしたものは昆布の香りもさながら海老の水分が抜けて甘さが更に引き立つ感がある。

もう少しアテ食べますかとのことだったので甘手カレイを造りでいただく。1日寝かして熟成させているけど身はコリコリで旨味も満点。縁側部分は特に旨味も濃くて大満足。

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握りの扉は富山産の白海老から。独特の食感と甘味に小さく唸ってしまう。ほんのり温かいシャリは酒粕を材料とする赤酢を2種類ブレンドしたもので砂糖は使用していないと言っておられた。酸味と旨味ともに強めのすっきりとエッジの効いたコクのある味わいはとても特徴あるもの。赤酢の独特の癖と握ったときにどうしてもバラバラしてしまうのが難点。

小肌は1枚付けだけど食感が柔らか。これをしっかり〆てしまうとシャリと喧嘩をしてしまう。よく考えられている。ご主人見た目と異なり、かなり繊細で客にも気配りしまくりで客に常に向き合って仕事をされる。釣りの鯵も秀逸。お造りでいただいたアマテカレイを分厚くカットして握っていただくと味わいもまた異なる。剣先烏賊もシャリと相性が良かった。

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好物の海老はこの日はこの時期に泉州で獲れる赤足海老。味噌も付いていてお酒も進みまくる。愛媛の石鎚のひやおろしをここから3合続けていただく。すっきりした辛口なんだけど旨味もしっかりと感じられる夏越しの銘酒。

北海道の粒貝と本マグロのトロ、腸の部分だけを軽く炙った北寄貝。小さな小鉢に入ったイクラは赤酢のシャリと相性抜群。

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北海道のバフンウニも藻塩でいただく。こちらのお店のスペシャリティーの鰻はしっかりと蒸し煮されているんだけど鰻独特の濃厚な旨味もしっかりと残されていてパンチのある仕事となっている。甘エビがもう一回出てきて最後はハリイカでフィニッシュ。

派手さはないけど美味しいものをしっかりと目利きして最高の状態で出していただく。けれども講釈や自慢は一切しない。安心して寿司を楽しめる界隈では希有な店である。

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食後はいつものように店の前にあるワッシーズダイニングスープルでワインをいただく。寿司のあとだったので軽めのお手頃ワインとこの店のシグニチャーメニューのトリュフのスクランブルエッグと玉ねぎのキッシュとチーズを所望して秋気澄む夜を楽しむ。

糸を繋げることもムスビ
人を繋げることもムスビ
時間が流れることもムスビ
ぜんぶ同じ言葉を使う・・・
君の名は・・・君は誰なんだ・・・

大阪市天王寺区四天王寺1-7-15
06-6772-0379
17:00~23:00
月曜定休


カテゴリー 四天王寺前夕陽ヶ丘, 寿司 |