寿司

すし寛 7月

ヘビーユースする表記の店を友人と訪問。動物園前駅から飛田新地に向かう商店街にある創業60年を迎える老舗店舗。この日もファミリーや女性客を含め常連で満席。たまたまカウンタ−席が空いていたのでいつものように好きなものを好きなだけいただく。

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ビールと一緒に小蛸の炊いたものとトコブシの煮付けを所望する。しっかりと出汁も効いていて普通に美味しい。

ネタケースにはキンキ、ノドグロ、クエ、毛蟹が並び、水槽には鱧、巨大車海老、天然ヒラメが泳ぐ。大衆寿司店なんだけど食材はかなり高級。

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作り盛り合わせを所望するとカンパチ、ナガスクジラ尾の身、赤貝、剣先烏賊、天然ヒラメ、鮑、甘エビの7種類盛り。好みの日本酒と一緒に楽しむ。ミンクの尾の身はよく頂くがナガスはひさしびりにいただく。小サシが入って咥内で脂が溶けてかなり美味しい。

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水槽に泳ぐ鱧を皮目だけ炙って出していただく。捌き立てなので身は真っ白でぷっくりと膨れる。ボリュームもあり食べ応え満点。

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網走産のタグ付きブランドのキンキを値段にビビりながら煮付けにしてもらう。日本で食すことの出来る魚で煮付けて最高に美味しい魚がキンキだと個人的に思う。仕入れ値がメガトン級に高いので仕入れることのできる店は限られる。

価格だけで言えば一般的に高級魚と言われるノドグロや甘鯛、天然シマアジの2倍の単価でどの魚よりも最高値というのは業界の常識となっている。網走漁港協同組合の釣りものの活のキンキなのでその中でも最高峰だと思われる。500gを超えるものは百貨店で8000円くらいするのを見かける。加減よく煮付けられたキンキは脂ののりが素晴しく身質もプリプリでお酒が進みまくる。

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煮付けたキンキの肝が美味しかったのでご主人が別で保管しているものを全部湯がいていただきポン酢でいただく。お店の中は忙し過ぎて戦争状態なんだけどご主人はギャグを飛ばしながら仕事をし、奥さんや、お母さん、職人さんも愛情溢れる丁寧な接客をされるのに頭が下がる。

初めて訪問する客でも常連のように気持ちよく接していただける野でとても気持ちのいい時間を過ごすことが出来る。。

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鰻の白焼きは皮がパリパリでかなり美味しい。

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砂糖が少し入った出汁巻は煮詰めを塗ってお寿司でいただくがご飯なしを所望する。

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筋を取ったマグロのカマ部分。私は苦手なのでいただかない。

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〆は胡瓜巻にバフンウニをてんこ盛りにしていただく。好きな日本酒と好きな魚でお腹いっぱい。気がつけば寿司店で3時間経過。居こごちもよくていい時間が過ごせました。

過去のすし寛はこちら

大阪市西成区太子1-15-2
06-6641-6654
16:30〜24:00
月休


カテゴリー 動物園前, 寿司 |

鮨 千陽

ミシュランのビブグルマンを最近取得された福島にある有名店。こちらは中央市場の前にある飲食人大学を経営する人材派遣会社の運営。最近はメディアの取材も多く予約がなかなか取りにくい。

「飲食人大学」は1年生の料理学校のカリキュラムを3ヶ月という短期間で現場で通用する技術を身につけることが出来るという短期集中型のまさに世の中が望んでいた学校である。寿司を含め和食の修行は劣悪な労働環境のもと精神修養を中心とした前時代的で属人的要素の強い「見て学べ」という慣習が根強く残り、それが和食料理人や寿司職人を志す人の障害となっていることは周知の事実である。

こちらの学校はそうした封建的な古い慣習に風穴を開け、今では多くの女性寿司職人の卒業生を輩出している。こちらの料理人大学の寿司専科は3か月で60万円(キャリアアップ助成金の対象なら30万円)のカリキュラムで江戸前寿司の実践的なノウハウを教えてくれると言っていた。
その卒業生が働くお店がこちらで、1階席が3500円コース、2階席が7000円コースと分かれていて今回は男性板前さんがいる1階でいただいた。(2階は女性職人さんです)

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7席の店内は木のカウンターで板前さんとの距離がかなり近い。ビールで乾杯をして前菜が無花果の胡麻クリーム掛け、甘海老の5杯酢掛け、魚介の白和え。手作り感もありまずまずである。

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小さな蓋付きのガラスの器の中にはフカヒレの炊いたもんが入る。かなり気の聞いた演出である。

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刺身は鯛とインド鮪。私は鮪が苦手なのでアコウに変更。鯛は養殖であったが上質なり。

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こちらの板前さんも3ヶ月学校で勉強して1年目と言っておられた。手が遅く包丁の使い方がまだまだぎこちないけど熱心さや丁寧な所作に応援したくなる。素直で擦れていない応対に好感が持てる。

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剣先烏賊を薄くすいて刻んで握る。切り方一つで甘味が増す。塩と酢橘でいただく。

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昆布〆にして水分を飛ばした今が旬のイサキは脂がしっかりとのってとても美味しい。

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漬けにしたインドマグロの赤身は辛子が添えられる。

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鮪が苦手な私には目板かれいを出していただいた。気遣いがとても嬉しい。日本酒もいろいろな種類のものが用意されていて好みを言えば誂えていただける。

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脇を固めるスタッフさんも学校の卒業生や入学予定の方で一生懸命さが伝わるのが感じがいい。

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大振りの小肌の半丁付け。〆具合も御上手。江戸前の仕事をちゃんと踏襲している。

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小さな雲丹丼には3杯酢のゼリーがかかる。ミョウバンの味がしっかりする比較的廉価の雲丹だけどひと手間かけることで癖が気にならなくなる。

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レアに煮込んだ肉厚のホタテ貝柱を炭火でさっと炙って潰して握ったもの。古い江戸前の仕事で関西ではほとんど見たことがない。専用の甘辛醤油との相性も良くてこれが私的には今日のナンバーワン。

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酒器はすべてスガハラガラス。光の模様が美しい。ルネラリックを思わせる。

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好物の海老は大振りの冷凍ブラックタイガー。仕事を施すことで活車エビを超える味にしたいと言っておられた。玉子のおぼろを中に鋳込んで一方には甘エビのおぼろ、もう一方には小海老のおぼろをトッピング。身が分厚くて食べ応え満点。プリプリの海老とおぼろの味で食べ比べる楽しさを提供。

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煮込まれた穴子は笹の葉に乗せられて炭火で炙られて供される。北新地の名店「平野」と全く同じ手法である。食したときにふわっと笹の香りがする。

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最後はカステラのようにフワフワに焼かれた玉子。もう少ししっとりした方が美味しいとは思うが許容範囲内。

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最後の汁物もかなり出来が良い。

キャリアが1年未満の調理人(多分調理師免許は取得していないと思われる)がここまで出来るということに感動がある。つまり単に美味しいとか美味しくないとか言う問題ではなく本格江戸前寿司のハードルをここまで下げたこちらのお店に敬服する。  

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最後に少し残っているお酒を見て玉子の端っこのへたの部分を切って出してくれた。新地の高級店でもなかなかしてくれない気遣いに心を掴まれる。。

大阪市福島区福島5-12-14
06-6450-8685
営業時間 18:00~23:00

鮨 千陽寿司 / 福島駅新福島駅中之島駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5


カテゴリー 福島, 寿司 |

まさる 6月

久しぶりに表記の店を友人と訪問。

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いつものように最初はお造り盛りあわせ。肉厚の赤貝は独特の香りがいい。皮を炙ったカマスと伝助穴子、剣イカと北海道のバフンウニ、九州産の鯵とコリコリの今が旬の鯒の一切れずつの7種盛り。

今が旬の舞鶴産の巨大な鳥貝は軽く炙っていただく。下処理も完璧。肉厚なので食べ応え満点。シャキシャキした歯触りと炙ることで甘さが立ってジューシーなのにビックリ。卵たっぷりのワタリガニは東北産らしい。

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握りの扉はいつもと同様に細魚から。続いて皮を炙って肝をのせた脂感たっぷりのキンキ、ネットリとした舌触りと熟成感というかアミノ酸感が特徴のアマテカレイに塩をして脱水してから皮目を炙ったカマスにビジュアルが美しい小肌の一枚付け。食べ続けて15年以上になるスペシャリティーの海老味噌鋳込みの車海老と続く。湯がき方が素晴しい・・・

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煮鮑はいつもとカットの方法が異なるがエンペラのゼラチン質がかなりいい。関東風の煮鮑とはテイストが全く異なり、柔らかい中にも鮑の風味も残って火を入れて更に新鮮に仕上がっているのが特徴。

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今の時期が一番美味しい淡路産の雲丹は甘味たっぷり。同じようなものがこの時期よく出回っているが淡路産でもピンキリがあることは周知の事実。海苔で巻いた炙ってホクホクになった鰻の巻ものもこちらの定番商品で食せば声が出なくなるくらい旨い。皮目が上になった穴子もふかふかして美味しい。皮だけ炙った鱧も脂がのって美味しい。煮ハマグリは火入れの素晴しさとネタの良さで限りなく柔らか。名物の袱紗玉子もしっとりとした仕上がりで味わい深い。〆はキャベツ巻でフィニッシュ。

大阪市浪速区下寺2-3-10
TEL:06-6649-7227
営業時間:平日 17:00~翌2:00 日祝 17:00~23:00
定休日:水曜日


カテゴリー 四天王寺前夕陽ヶ丘, 寿司 |