京都市

煕怡 kii

以前、伏見の中書島にあった「センプリチェ」というレストランが2年前に京都市内に移転。地下鉄の四条駅から烏丸仏光寺を西に入った路地の中に位置する。駅からは徒歩2分くらい。難しい店名は「和やかに集まる」と言う中国の吉語とのこと。

お店は古い町屋をリノベーションしたシンプルで落ち着きのある内装。カウンター6席のみで、界隈でよくある一斉スタートではないのが遠方からの客には嬉しい。

料理はコース15000円(税別・サなし)のみ。

ご夫婦2人で切り盛りされており西山哲平シェフは大学のイタリア語専攻ならびに留学がきっかけてイタリア料理の世界に入ったという友人の弁。

最初に一皿は脂ののった金目鯛のサラダ仕立て。。シンプルだけど細やかな仕事を施してありとても美味しい。

2品目はボタン海老の刺身。卵と頭部分の味噌がてんこ盛り。使われている豆皿もとてもキュート。

続いてはパリパリに揚がった蟹クリーム春巻き。。上には北海道産の海水雲丹がてんこ盛りにされる。熱々の春巻きと冷たい雲丹の対比に舌が驚く。。

続いてトルティーアのような薄い小麦生地に熊肉で作ったハンバーグとリンゴやその他諸々を挟んで丸めてかぶり付く野趣あふれる料理。イタリアではよくあるものらしい。包まれたハンバーグからはパンチのある肉汁がドバドバと溢れ出す。。

岡山産のトリュフの下には河豚の身と白子を使った贅沢なリゾット。熱々の器で供される。しっかりと混ぜ込んでスプーンでいただく趣向。。

自家製の焼きたてパン。。。ジャガイモのペーストとバターを合わせたものをつけていただく。

アルコールはワインだけでなく色々なものが揃っていて料理に合わせたフュージョンというかハイブリットな楽しみ方ができる。。最後の料理の盛り付けと仕上げは客の目の前で行われる

白魚と牡蠣と甘鯛のアクアパッツア。。しっかりと煮詰められた濃厚な魚出汁がとても美味しい。おかげでついパンを食べ過ぎてしまう。。

この日はシャルドネと10年以上寝かせたGRAVNERをいただく。白ワインなんだけど皮も一緒に絞っていてどっしりしたタンニンの効いた深い味わいで肉料理との相性もぴったり。

北海道真狩村産のブランドゆり根と自家製からすみをたっぷり使ったパスタ。。

イチゴの温かいドレッシングを使ったサラダ。それぞれの野菜に細やかな下処理をされていることに敬服。

赤牛のモモ肉(たぶん・・・)のステーキ。下には肉でとったコンソメスープが敷かれる。。

締めのパスタは琵琶湖産のマスと九条ネギを使用。。お腹いっぱいだけど油感もないのでペロリと平らげる。。

ドルチェは柚子のシャーベットに温かいホワイトチョコのスープ。。お米を使った煎餅が浮かぶ。。

生チョコとコーヒーでフィニッシュ。ドルチェの代わりにチーズを選ぶこともできる。。

 

器好きの店主がルネラリックの骨董を買われたというので拝見させていただく。アンティークだけど透過光の美しさはさすが・・・

おもてなし感も素晴らしいし全てにおいてハイレベルなお店です。。

京都市下京区烏丸通仏光寺西入釘隠町242
日曜、月曜休み


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鮨 鯛ノ鯛

京都烏丸駅北に徒歩5分の場所にある表記の寿司店を訪問。入り口は鯛ノ鯛という熟成魚を中心にしたかっこいい居酒屋なんだけどその店の奥に活気ある居酒屋とは打って変った静かで大人な雰囲気が漂よう隠れ屋の様な空間が現れる。

すべてお任せのコースは10000円で定刻に一斉スタート。8席のみなので6名から貸し切りも可能とのこと。

日本酒は40種類くらい揃っていてお任せでペアリングも楽しむことができる。もちろん高級なシャンペンやワインなども揃っているので色々な楽しみ方をすることができる。

カウンターを仕切るのは若き鮨職人の方でとても謙虚で丁寧に魚の説明もしてくれる。嫌いなものやシャリの大きさなども自在に対応いただけるのもとてもいい。

座付は自家製のカラスミとボラの白子を炙ったものを海苔で巻いたもの。

続いての刺身は3週間寝かせた鰆と2週間寝かした鰤の背中部分が一切れづつ。山わさび(ホースラディッシュ)とともにいただく。

揚げ物は富田林産のブランド海老芋とずわい蟹の身がぎっしり詰まった蟹真薯と肝ソースにつけていただく鮑。どれもがとても上質な味わい。

椀物は熊のバラ肉の白味噌仕立て。野生のセリが添えられて野趣たっぷり。

湯がきたての新鮮な北海道産の鱈白子は塩で供される。

握りの扉は2週間熟成させて2時間昆布締めにした平目から。続いて焼き込んだ太刀魚に天草の紫雲丹をのせたもの。脂のよく乗った大阪湾の鰯とねっとりした歯触りの黒ムツと続く。

続いて熟成させた石垣鯛、中に肝を射込んだカワハギ、3週間寝かした巨大サイズのクエと続く。私は遠慮したが本鮪は塩釜産の56キロの物を使用。泉州の穴子と天草の雲丹、最後に出汁を使わずに焼いた熱々の玉子焼きでフィニッシュ。

若き職人さんなので、気さくでアットホームな対応でリラックスしながらいただける。コスパもとてもいいので使いやすい高級寿司店です。

京都市中京区一蓮社町蛸薬師通烏丸東入ル300
定休日/水曜、不定休

*予約はインスタのメッセンジャーだけとのこと。
わからなければ連絡ください。

 


カテゴリー 寿司, 京都市 |

高台寺 和久傳

ずわい蟹が解禁になったので京都の表記の店に友人と蟹懐石をいただきに訪問する。京都を代表するこちらの店で修行された料理人さんがたくさんの有名繁盛店を作られているため日本料理会の東大と呼ばれている。

私の知っている京都の店だけでも「緒方」「京天神野口」「木山」「祇園丸山」「祇園ろはん」「燕」「ごだん宮ざわ」「はしたて」「ふじやま」など・・・実際はこの数倍の方々が色々な場所で独立開業されていると聞き及ぶ。

こちらの店の歴史は明治3年に丹後峰山町に和久屋傳衛門が始めた旅館が和久傳の始まりと担当の料理人さんが言っておられた。こちらの本店以外にも京都に数店舗ありそちらはすべて何度か伺ったことはあるけどこちらの本店は初めての訪問。

食事まで時間があったので高台寺で夜間拝観をしてから店に向かう。場所は高台寺の下の塔頭の圓徳院の並び、多くの高級料亭が並ぶ円山公園の南側に位置する。

到着すると仲居さんが3人店の外でお出迎え。。昭和27年築の独特の存在感のある建物は日本舞踏の家元の住居だったという数寄屋造り。

お店に入ると足が楽な個室の掘りごたつ式のカウンター席にご案内いただく。この時期の料理はデフォルトのものと別に焼き蟹コースと蟹会席コース(共に66000円)がある。今回は蟹懐石コースを所望。

座付は松の実の入った白湯の様なもの。。お腹を温めると胃の調子が良くなる。

最初に一献。生竹を使った器に入れられた名物の丹後の酒。創業からあるらしい。独特の竹の香りとすっきりした飾り気のない味わい。

今年の初物の香箱蟹。。外子と中に内子、酢ゼリーが鋳込まれている。

2皿目は丹波牛のカツレツ。衣は柿の種を使用。脂分と旨みが詰まった鮮烈な味わい。

かなり大粒の揚げ銀杏。。

本日使用の蟹のプレゼンテーション。1.2キロサイズの活の巨大な間人蟹(たいざがに)。特別なコネクションで産地から直接仕入れているらしい。

煮物椀は10月末に解禁になった猪の肉でとった出汁を使った沢煮仕立て。野趣あふれるビジュアルだけど肉は入っておらず味わいはとても上品。

お造りは昆布締にした河豚の炙り。酸味の効いた柑橘のジュレと一緒にいただく。コリコリの食感がとてもいい。

ここで職人さんが登場して真ん中の囲炉裏にビジュアルも美しい形の揃ったまん丸の備長炭を組み始める。

調理場で先ほどの蟹を解体して丁寧に焼き上げるという趣向。

若き料理人さんが備長炭を使って熾火でじっくりと焼き上げる。部屋を満たす独特の蟹の香りがなんとも言えない。この時期は店のすべての部屋で蟹を焼いていると言っておられた。

蟹は一番太い脚部分から供される。最初は半生状態で、続いて少し強めの火入れで味の異なりを楽しむ。日本酒との相性は抜群なり。。

焼き蟹の殻をよく焼き込んで上から熱燗を注いだもの。ヒレ酒の様な感じで蟹の風味が日本酒に溶け込んで自分が蟹になった気分になる。

続いて蟹味噌の入った巨大な頭部分の殻が登場。時間をかけてじっくりと火入れをする。

中身は蟹味噌と日本酒と少しの醤油だけを火入れしたもの。濃厚なポタージュスープの様な深い味わい。

一見ありがちな料理なんだけどどこにもない突き抜けた美味しさ。。同席した客が「暴力的な美味しさですね」と語っていた。

一口残してもう一度日本酒を注いで次は完全な甲羅酒。香ばしくて美味しくて頭の箍が外れそうになる。

追加料理の蒸し蟹と蟹味噌。繊維も細かくて身がとても甘い・・・・

口直しの芹とほうれん草の胡麻よごし。。こういったちょっとしたものがとても美味しい。胡麻も煎りたて・・・

目の前で時間をかけて焼き上げる和久傳名物の巨大な唐墨餅。唐墨は10月に仕込んだものらしい。雅な京料理とはかけ離れているが美味しさと品の良さは突き抜けている。唐墨の濃厚だけど控えめな塩分とさっぱりした餅の相性がとてもいい。これぞ至福の味わい。餅は今朝ついたものらしい。

大人のげんこつサイズの島根産の巨大赤貝の殻の中にはたいらぎ貝と赤貝の酢の物。貝の美味しさはともかくパンチのある辛味のある酢味噌の味が秀逸。

食事のお供の多種多様の香の物。。すべての塩梅が素晴らしい。

平湯葉の入った味噌汁。。

名物の蟹の身が入った玉〆。味わいはふわふわのトロトロ。糖質制限中なのでご飯はちょびっとだけにする。

奈良県吉野産の大城柿は渋柿の渋を取り除いてから暖かい部屋に置いて熟柿にする。トロトロで上品な甘み。こんな大きくて美味しい熟柿は初めていただいた。

萩焼の茶碗に入ったお薄とともに和栗を使った茶巾。素朴で上品な甘み。食事終了まで約3時間。仲居さんの接遇も適当な距離感があって素晴らしい。

料理は全般的に最高の食材を用意しそれを活かしきっていることに感動。どの料理もありがちな「やりすぎ」がない。これは簡単なようでいてとても難しい。料理盛り付けもすべて引き算の美しさがある。さすが超一流の店と敬服致しました。

京都市東山区高台寺北門前鷲尾町512
電話 075-533-3100


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