京都市

天よし

京都の木屋町にある表記の老舗天ぷら店を訪問。祇園四条駅、京都河原町駅から徒歩2分くらい、有名な超高級寿司割烹蘭の横で60年くらい前から営業されている。(100年という方もいるが真相は不明)私も数年に1度くらい訪問する。高齢の穏和なご主人と奥さんで切り盛り。この日は16時の開店直後に一人で予約。店内は白木のカウンター12席。油の前の席を案内いただき寡黙なご主人と世間話をしながら食事をいただく。お店は京都らしくメニューやお品書きなどは一切なしで値段も不明。常連率高し。。

隣には30才くらいのカップル。離れたところに先生と呼ばれる70才くらいの夫婦が並ぶ。最初に冷たいビールと香ばしいインゲン豆の胡麻和え(これがかなりのおいしさ)が提供される。

続いてご主人がおもむろにまな板の上にピチピチと跳ねる大量の車海老を並べて頭をとって皮を剥きまくる。一通り剥きまくったら衣をつけて揚げまくる。

とりあえず一人あたり5尾を一気に揚げられて供される。熱々のうちに塩をつけていただく。衣はひたすら薄くカリッとホクホクで揚げられる。小ぶりの海老は包丁でまっすぐに伸ばしていないので食感がとてもいい。揚げ油はさっぱりとした軽い口当たりのコーン油で一度揚げたら全て捨てて入れ替えるため供するのにとても時間がかかる。

続いて「鱚食べはりますか〜」と聞かれて薄衣で揚げられた旬の鱚は小ぶりで上品サイズだけどとても上質。

冷酒を所望すると久しぶりに見る「賀茂鶴」登場。アルコール添加で余韻が深くて、ねっとりとした飲み口に昭和の懐かしさを感じる。天ぷらを段取りして揚げるまでかなりの時間を要するのでカウンター下で文庫本を読んで残った海老の尻尾とともにお酒をチビチビといただく。(これがまた美味しい・・・・・)

この日は特別に「鱧もあるよ〜」とのことなので所望する。熱々でホクホクの身は大根おろしをたっぷり入れた濃いめの天つゆとの相性抜群。

ここで海老のお代わりをする。この店ならではで満足いくまで海老の天ぷらをいただくことができる。隣のカップルはさつま芋とミニ玉ねぎ、蓮根の天ぷらを食べていたが私は海老に専念するために野菜はパスする。一気に2皿目も食べて3皿目を所望。海老の天ぷらは注文があって皮をむくのでまたしばらく文庫本を読む。

口直しの南高梅を使った蜂蜜漬け梅干しが途中で供される。

海老と三つ葉のかき揚げも車海老が5匹くらい使用される。ご飯に乗せて天丼にされる方もいる。

最後は残ったお酒と海老の脚の唐揚げをいただく。しばらく海老を見るのが嫌になるくらい食べまくった。。帰りは奥さんが外まで出て丁寧にお見送りいただく。近くのサンボアバーでハイボールをいただいて帰阪する。好みは分かれるかと思うけど僕は大好きなお店。海老の追加なければ料理8000円くらい。。

京都市中京区鍋屋町213


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煕怡 kii

以前、伏見の中書島にあった「センプリチェ」というレストランが2年前に京都市内に移転。地下鉄の四条駅から烏丸仏光寺を西に入った路地の中に位置する。駅からは徒歩2分くらい。難しい店名は「和やかに集まる」と言う中国の吉語とのこと。

お店は古い町屋をリノベーションしたシンプルで落ち着きのある内装。カウンター6席のみで、界隈でよくある一斉スタートではないのが遠方からの客には嬉しい。

料理はコース15000円(税別・サなし)のみ。

ご夫婦2人で切り盛りされており西山哲平シェフは大学のイタリア語専攻ならびに留学がきっかけてイタリア料理の世界に入ったという友人の弁。

最初に一皿は脂ののった金目鯛のサラダ仕立て。。シンプルだけど細やかな仕事を施してありとても美味しい。

2品目はボタン海老の刺身。卵と頭部分の味噌がてんこ盛り。使われている豆皿もとてもキュート。

続いてはパリパリに揚がった蟹クリーム春巻き。。上には北海道産の海水雲丹がてんこ盛りにされる。熱々の春巻きと冷たい雲丹の対比に舌が驚く。。

続いてトルティーアのような薄い小麦生地に熊肉で作ったハンバーグとリンゴやその他諸々を挟んで丸めてかぶり付く野趣あふれる料理。イタリアではよくあるものらしい。包まれたハンバーグからはパンチのある肉汁がドバドバと溢れ出す。。

岡山産のトリュフの下には河豚の身と白子を使った贅沢なリゾット。熱々の器で供される。しっかりと混ぜ込んでスプーンでいただく趣向。。

自家製の焼きたてパン。。。ジャガイモのペーストとバターを合わせたものをつけていただく。

アルコールはワインだけでなく色々なものが揃っていて料理に合わせたフュージョンというかハイブリットな楽しみ方ができる。。最後の料理の盛り付けと仕上げは客の目の前で行われる

白魚と牡蠣と甘鯛のアクアパッツア。。しっかりと煮詰められた濃厚な魚出汁がとても美味しい。おかげでついパンを食べ過ぎてしまう。。

この日はシャルドネと10年以上寝かせたGRAVNERをいただく。白ワインなんだけど皮も一緒に絞っていてどっしりしたタンニンの効いた深い味わいで肉料理との相性もぴったり。

北海道真狩村産のブランドゆり根と自家製からすみをたっぷり使ったパスタ。。

イチゴの温かいドレッシングを使ったサラダ。それぞれの野菜に細やかな下処理をされていることに敬服。

赤牛のモモ肉(たぶん・・・)のステーキ。下には肉でとったコンソメスープが敷かれる。。

締めのパスタは琵琶湖産のマスと九条ネギを使用。。お腹いっぱいだけど油感もないのでペロリと平らげる。。

ドルチェは柚子のシャーベットに温かいホワイトチョコのスープ。。お米を使った煎餅が浮かぶ。。

生チョコとコーヒーでフィニッシュ。ドルチェの代わりにチーズを選ぶこともできる。。

 

器好きの店主がルネラリックの骨董を買われたというので拝見させていただく。アンティークだけど透過光の美しさはさすが・・・

おもてなし感も素晴らしいし全てにおいてハイレベルなお店です。。

京都市下京区烏丸通仏光寺西入釘隠町242
日曜、月曜休み


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鮨 鯛ノ鯛

京都烏丸駅北に徒歩5分の場所にある表記の寿司店を訪問。入り口は鯛ノ鯛という熟成魚を中心にしたかっこいい居酒屋なんだけどその店の奥に活気ある居酒屋とは打って変った静かで大人な雰囲気が漂よう隠れ屋の様な空間が現れる。

すべてお任せのコースは10000円で定刻に一斉スタート。8席のみなので6名から貸し切りも可能とのこと。

日本酒は40種類くらい揃っていてお任せでペアリングも楽しむことができる。もちろん高級なシャンペンやワインなども揃っているので色々な楽しみ方をすることができる。

カウンターを仕切るのは若き鮨職人の方でとても謙虚で丁寧に魚の説明もしてくれる。嫌いなものやシャリの大きさなども自在に対応いただけるのもとてもいい。

座付は自家製のカラスミとボラの白子を炙ったものを海苔で巻いたもの。

続いての刺身は3週間寝かせた鰆と2週間寝かした鰤の背中部分が一切れづつ。山わさび(ホースラディッシュ)とともにいただく。

揚げ物は富田林産のブランド海老芋とずわい蟹の身がぎっしり詰まった蟹真薯と肝ソースにつけていただく鮑。どれもがとても上質な味わい。

椀物は熊のバラ肉の白味噌仕立て。野生のセリが添えられて野趣たっぷり。

湯がきたての新鮮な北海道産の鱈白子は塩で供される。

握りの扉は2週間熟成させて2時間昆布締めにした平目から。続いて焼き込んだ太刀魚に天草の紫雲丹をのせたもの。脂のよく乗った大阪湾の鰯とねっとりした歯触りの黒ムツと続く。

続いて熟成させた石垣鯛、中に肝を射込んだカワハギ、3週間寝かした巨大サイズのクエと続く。私は遠慮したが本鮪は塩釜産の56キロの物を使用。泉州の穴子と天草の雲丹、最後に出汁を使わずに焼いた熱々の玉子焼きでフィニッシュ。

若き職人さんなので、気さくでアットホームな対応でリラックスしながらいただける。コスパもとてもいいので使いやすい高級寿司店です。

京都市中京区一蓮社町蛸薬師通烏丸東入ル300
定休日/水曜、不定休

*予約はインスタのメッセンジャーだけとのこと。
わからなければ連絡ください。

 


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