天神橋筋六丁目

天ぷら 沼田

今月半ばに天神橋筋7丁目にある「天星」というカジュアルだけど本格的な天ぷら屋で昼食を頂いた。思いのほかハイクオリティーなのでスタッフの方から色々お話を聞いていると。隣に同じ経営で夜のみ営業の完全予約制のハイエンドな店もあるということでその場で予約させていただく。お店の厨房部分が繋がっていてスタッフが行き来される効率のいい設計。

小さな看板が目印の目立たないファザードで店内はL字カウンタ−10席のみのキャパシティ。超人気店なので当然の事ながら満席状態。料理はお任せコース11000円(税・サ別)のみ。一人で天ぷらを揚げる30代前半の若きご主人と女性スタッフ2名できりもり。

食事の扉は旬の肉厚の蛤を煮浸しにしたもの。レアに火入れされた蛤と木の芽の香りが春を感じさせる。続いてパリパリに揚げられた海老の手の部分の唐揚げ(蜘蛛手と言う名前と昔どこかで聞いたことがある)をアンデスの岩塩と沖縄の塩を混ぜたもので頂く。車海老は最初はミディアム、2本目はレアで供される。衣はパリパリした感じでなく限界に近いうすば蜻蛉の羽のごとき水分のあるしっとりした薄衣が特徴。

続いて男性の指2本分くらいある極太のアスパラガス。固さが残る根っこ部分5㎝は廃棄。最初にミディアムに火入れした頭部分が供され、続いてしっかり揚げた軸部分と続く。

ご主人が「この時期はいい小魚がないんですよ」・・・と言いながら鱚登場。一口目はレモン塩で2口目は大根おろしたっぷりの天つゆで頂く。そのあとはカラリと揚げられた骨せんべい。

続いてアクの全くない徳島産の筍。頭部分は外して5匹くらい並べ、大葉で包んで揚げられる白魚はホクホクの舌触り。生産地が北海道の2カ所しかないらしい月光百合根。一口目は生で供され、シャリシャリした梨のような歯ごたえのあとに強烈な甘味を感じる。当然の事ながらアクや苦味は感じない。続いて火入れしたものが供される。昔に料理屋さんで同じものを丸々一個蒸し焼きにして美味しく頂いた記憶が蘇る。

この日はたまたま仕事で梅田の阪急百貨店にいたので地下のワイン売り場で責任者のお方に予算1万円で天ぷらにぴったりのものの選定をお願いするとボルドーの白ワインのヴァランドロー2012を間違いないとお勧めいただく。それを持ち込ませていただき(*抜栓料3000円必要)天ぷらとのマリアージュを楽しむ。辛口だけどフルボディで果実味もあってとてもふくよか。お勧めいただいたプロの店員さんの知識に感心。

ネットでワインを買うと並行輸入のものは定価から2割くらい安く買う事が出来るがこちらの百貨店は正規のインポーターを通しているのでラベルが剥がれていたりすることもなく人に差し上げたりする高額なものは絶対に阪急百貨店と私は決めている。

これからどんどん美味しくなる旬のアイナメは骨を一本ずつ外して供される。口直しの髪の毛くらいの細さにカットされた長芋の素麺の技術にビックリ。米粉と塩を合わせた淡雪塩をかけた海老すり身射込みマッシュルーム。塩気が立たないのが嬉しい。
アオリイカは包丁目がしっかり入ってとても柔らか。素材の甘味もしっかり感じる事が出来る。

こちらのお店はワインやシャンパーニュー、日本酒も豊富に揃えられていて、ワインのあとでソムリエさんお薦めの日本酒をいくつか頂く。それとともに振り柚子をした小柱と熊本産の塩とにがりを土に噴射してつくる塩玉ねぎ。長時間火入れされて甘さ爆発のホクホクの仕上がり。たっぷりの大根おろしを入れた天つゆで頂く。

このあと籠に盛り込まれた色々な野菜の中から2種類好きなものを選んで揚げていただくという趣向。私は徳島産の蓮根と走りの蕗の薹を所望する。

友人の選んだ最近よくいただく赤茄子、一寸豆も少し分けていただく。そのあいだにガラスの鉢で泳ぎまくる稚鮎のプレゼンテーション。別料金であるが頼まざるを得ない・・・

限定品の「黒龍のしずく」とともに凛とした立ち姿の稚鮎を頂く。内臓の苦味が心地いい。超高級食材のチャービルの根っこを発見。フレンチでは頂いた事があるけど天ぷらでは初めてなので追加で所望する。見た目は菊芋のような感じだけど甘くてホクホクしてこの店でしか食せない味わい。

最後に椎茸も追加。今まで知りうる椎茸の天ぷらにはない美味しさに感動。〆は天茶、天丼、玉子かけご飯、天むすの4つから選ぶ。

おすすめは玉子かけご飯らしいが腹パンなので天茶を所望する。熱いほうじ茶の入った茶漬けに揚げたての活車海老がビックリするくらい入ったかき揚げがジュンと入る。海老の香りとかき揚げの油がほうじ茶に相まって驚く美味しさ。

デセールはドラゴンフルーツにパール柑のゼリー掛け。グレープフルーツの親戚筋らしい。

友人が選んだ店主お薦めの卵かけ御飯はまずは卵の黄身を天ぷらにしてご飯に乗せる、一口目はそれに醤油をかけて頂く。2口目はメレンゲに白トリュフを入れたものをかけて頂き、最後は揚げたての小さくカットした活車エビの天ぷら(店主は天かすと呼ぶ)をかけて頂くという趣向。

これを見て私も卵かけ御飯にすれば良かったと激しく後悔・・・天ぷらの油は途中3回入れ替えるので最後まですっきりと味わう事が出来る。食材もピンのものを選びに選び抜かれたものばかり。この日はいい穴子の入荷がなかったとのこと。同業の老舗店は界隈にたくさんあるけど、今回はケレンなく王道のストロングスタイルで勝負される若き店主の仕事に感動する。滞在時間3時間があっという間に過ぎる。。

忙しいのにわざわざお店の外までお見送り。恐縮です・・・・

大阪市北区天神橋7丁目10-9
06-7654-7599

隣にある姉妹店の天星の過去記事はこちら


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天星

天六にある自社の支店を視察したあとに表記の店を昼頃に訪問。近くにはミシュラン店の「蕎麦たかま」、「懐石料理 青木」、「寿司処 しん」などがあって以前からこちらのお店の前はよく通っていたが今回初入店。店の前のメニューには天丼1000円、定食1800円、お昼天ぷらコース3000円とあったので3000円のコースを30分で出していただくことにする。ちなみに夜のお任せは4500円。

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前菜は氷魚(鮎の稚魚)の霙酢と自家製豆腐を揚げたものに蕗味噌を載せたもの。お酒が欲しくなる逸品。

琵琶湖産と思われる旬の氷魚は見た目は「しらす」だけど身はしっとり、舌触りは滑らか。そこはかとなく鮎とわかるかそけき苦味と繊細な味わいが特徴。釜揚げにして干したものもたまに頂く。ふわふわの豆腐も大豆の香りがしっかりしたもので地味だけどかなりいい仕事をされている。

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天ぷらは最初に海老の足の唐揚げが2つ。続いて薄衣に包まれた天使の海老。続いてそれを大葉で巻いたもの(写真なし)。ニューカレドニア近辺で獲れる冷凍の海老だけど揚げ手の腕がいいのでかなり美味しい。続いて苦味のある菜種、裏旬の脂がしっかり乗った鱚、甘味たっぷりの蕪と続く。箸休めはレタスサラダに塩昆布とあられを足したもの。どおってことないものだけど口の中がさっぱりする。

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熊本の伝統野菜の赤茄子は米茄子と違ってふんわりとした食感で甘さが秀逸。大葉で巻いた鯛は塩で頂く。部厚くカットされ程よく火入れされた玉ねぎは水分たっぷりで揚げの技術が光りまくる 、縦切りにされたシャリシャリの福島産の蓮根、よく肥えた旨味たっぷりの赤穂産の牡蠣と続く。

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〆は鯛の刺身を胡麻醤油に絡めた吉兆風の鯛茶漬けでフィニッシュ。どれもが丁寧な仕事で3000円以上の価値あり。。ワインやシャンパン、日本酒もたくさんあるので夜の再訪が楽しみな一軒。隣には客単価2万円の高級天ぷら店の「沼田」という同じ経営の店がありスタッフは厨房は行き来出来ると言っていた。よく考えておられます・・・

大阪市北区天神橋7-10-9
06-4801-8855
営業時間:11:30~13:30 17:00~23:00
定休日:月曜日


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炭火鮨 肴

天神橋筋6丁目の交差点を北東に進み加納病院の前の路地を東に入って小さな空き地を抜けた住宅街の長屋をリノベーションした表記の完全予約紹介制の寿司店を友人と訪問。猫も通らないような場所にビックリ。

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重たい木の扉を開けると京都の料理屋さんのような内装。靴を脱いでお店に入ると掘りごたつのカウンタ席が見える。一番奥のご主人の前の席にご案内いただく。カウンタ−はL字型に6席のみ。この日は貸し切りでゆっくりと四方山な話をしながらいただく。

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個人的に苦手なマグロを省いていただきお任せのコースを所望する。ビールはプレミアムモルツ。スガワラのグラスが美しい。座付きは骨董の蕎麦猪口に入った温かい海苔餡掛け茶碗蒸し。中身は忘れたけどかなり美味しかった。

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前菜がとろ湯葉、自家製剣先烏賊の塩辛、ネットリとした食感が特徴の味噌漬けにしたアンキモはクリームチーズと葱が添えられる。自家製唐墨大根と畳鰯を素揚げにしたもの。お酒の肴のようなものばかりなので日本酒を所望する。

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お酒は秋田の「まんさくの花」と「山形正宗」。両方ともすっきりとした味わいでこの時期に東北で咲く「マンサク」の可憐な黄色い花に思いを馳せながらいただく。

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続いてお造り。熟成させて皮目を炙った鯛にはポン酢に出汁を合わせたジュレをかけたもの。剣先烏賊に海苔をまいて鳴門巻にしたものは片方には雲丹が載せられる。脂がのりまくった金沢の天然ブリ。和歌山産のウチワ海老は身がプリプリで驚くほど美味しい。それをレアに炙ったものは甘さが際立って感動。

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続いて小さなクエ鍋登場。魚体は小さなものだったけどいい身には脂がのっていてお酒がどんどんすすむ佳品。琵琶湖ホテルで修行をされたご主人といろいろな話をしながら美味しい時間を過ごす。食事時間は普通で2時間半、グループで来店すると平均3時間コースになると仰っていた。

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桜のチップを燻してノドグロの握りに燻煙をかける。ガラスの器で蓋をして約1分。ノドグロの脂と燻製香のバランスが面白い。それに負けないようにシャリには赤酢が使用される。日本酒以外にも高級シャンパンがたくさん揃えられていて価格も良心的。

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このあとは握りやアテがどんどん供される。握りはネタに合わせて赤酢と普通のすし酢の2種類のシャリを使い分ける。軽く炙られた脂ののった締め鯖、富山産の白海老はネットリした食感。軽く炙られた赤貝のひも、独特の香りもいい赤貝の身。ビジュアルが美しいイクラと肝を挟んで薄造りを何層にも重ねたカワハギなどどれもひと手間加えてより美味しく提供。

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米沢牛のミスジ部分を炙ったものは思ったよりも脂っこくない。金目鯛の皮目だけをしっかり焼き上げたものは口に入れると香ばしい脂が口の中に迸る。続いてブリの腹身部分を大根おろしを巻いてバーナーで炙ったもの。大きくカットされた蒸し鮑には肝を潰して出汁で溶いたものが乗る。大きな鮑茸に隠れた和牛イチボ肉のステーキはにんにく味噌に漬け込まれた卵黄が載せられる。クエの握りにはポン酢を吉野葛で溶いたものでいただく。

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途中でもずく酢とかつら剥きにした胡瓜で紅ずわい蟹を巻き込んだ酢の物が提供されて口の中はすっきり。。

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網走産のキンキの握りは骨で取ったスープと一緒に供される。北海道のバフンウニは小鉢に入れられて炭塩と一緒に。白魚のかき揚げとふわふわに仕上げられた煮穴子、海老と白身魚のすり身が入った玉子で料理は終了。途中でウチワ海老の殻を使ったみそ汁も秀逸でした。

厳選されたお酒と約30種類提供されるすべての料理がおいしくて腹パン状態。

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最後のやわやわの自家製わらび餅も他店にはない美味しさ。いい値段でしたが内容を考えると大満足。外国人を連れてきたら絶対に喜ぶと思う。5人以上で貸し切り可なので仲間でワイン会とかしても楽しいと思うな。。

大阪市北区国分寺2-3-13
06-6809-6678
17:00~23:00

*ホマキ(堀北真希)引退だな・・・幸せになってほしいな。。

カテゴリー 天神橋筋六丁目, 寿司 |