松虫

すし豊2月

普段からヘビーユースする地元の寿司店を今年初めて友人と訪問。阿倍野の王子神社のすぐ近く細い路地を入った昭和な感じの小体な店構え。「あまから手帳の美味しい寿司100選」の表紙にもなったことがある。店内はカウンター8席と小上がり2卓。ご主人とご子息、奥さんの絵に描いたような家族経営。

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寒かったので最初から熱燗を所望。この酒器もこちらのお店の特徴とされるもの。

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焼き筍を注文したら焼き上がるまで自家製の塩辛を出していただいた。スルメイカを使った濃厚な味わいに酒が進みまくる。

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自家製の海苔の佃煮に山葵を刻んでいれたもの。簡単なものなんだけどとびきり美味しい酒肴である。

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皮ごとじっくりと焼き上げ蒸し焼き状態となった新筍はまずそのままで身の部分をいただいて姫皮は味噌を乗せて歯で柔らかいところだけ削り取るように食べる。ご主人が丁寧に食べ方まで指導いただけるのが楽しい。

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目の前の水槽にはこの時期ならではのモロコが泳ぐ。これを炭焼きにしていただくんだけど元気がいいのでまずは氷水につけて仮死状態にする。それを焼き網2枚で挟んでじっくりと焼き上げる。

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3杯酢をつけていただくんだけどこれもご主人から食べ方の指南が入る「このモロコは3口で食べてね〜。最初は頭だけをかじってね。身体の脂が頭に廻って唐揚げ状態になってるよ〜」「頭をかじったら空洞が出来てお腹に空気が入るから少し冷めて食べやすくなるよ〜。尻尾を残してかじってね〜」「3口目は尻尾だけ食べてね〜。よく動くとこだから美味しいよ〜」とのこと。

言われた通りの作法でいただくとより美味しく感じるのが不思議。

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焼きたてのモロコをよく冷えた濁り酒と一緒にいただく。

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このあとはお任せで握っていただく。最初は今が旬の大阪湾のグレを昆布締めにしたもの。磯魚特有の臭みもなくクリアな脂が舌の上で溶ける。しっかり締めた大きな小肌はコノシロのサイズ。江戸前の仕事をした煮蛤には濃い目の煮詰めがかかる。2晩寝かして旨味がしっかり乗った河豚はポン酢でいただく。

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こちらのお店のスペシャリティーのヤリイカの印籠は江戸前の仕事で軽く炙られて客に提供される。烏賊の胴体とシャリの間に白子が入り、両端はイカの卵が入っていて味わいの異なりが楽しい。柔らかく煮込まれた鮑に炙って提供されるカンパチ。

この店で一番固いといいながら提供されるイクラ。 岩手県の産卵直前の川に遡上する前の完熟卵にこだわる自家製。一口で頂くとピンポン球のように口の中で暴れまわる。最後はしらさ海老で〆

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最後の漬け物も名物。つまんで飲んで一人7000円くらい。ご主人のお人柄もよくて大好きな店です。名前は安田豊次、だから「すし豊」です。

過去の「すし豊」はこちら

大阪市阿倍野区王子町2−17−29
電話:06-6623-5417
営業時間:17:00~24:00
定休日:木曜日


カテゴリー 松虫, 寿司 |

ラーメン而今 阿倍野元町店

日曜日に大阪女子マラソンの応援に行って雨が降りそうだったから急いで帰宅しようと思って歩いていたら後ろから若いお姉ちゃんが血相を変えてブワーと追いかけてきて「お金落としはりましたよ〜」と言って4000円くらい私に手渡すから「私のじゃないです・・・」と言うと実際に落とすのを目で見たという。あまりにも固辞するのも悪いと思いながらしょうがなしに受け取ってそのお金で目の前にあった表記のラーメン屋でビールとらーめんを食す。

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こちらのお店は以前にも何度か訪問したことがあるけど大東市に本店のある「麺や而今」の4号店。最寄り駅は上町線(チンチン電車)の東天下茶屋駅から徒歩3分。4店舗すべて訪問したことがあるけどお店ごとに店名もメニューや内容、味も微妙に異なるのでのれん分けかも知れない。

前回は煮卵とレアチャーシューなるものが乗った特製の1000円のものをいただいたが今回はデフォルトのたまり醤油の極上煮干しラーメン750円を所望する。麺は細麺と平麺(価格は同じ)があるけど最もスタンダードな細麺とする。

その他のメニューは
◯天然塩の極上あさりそば
◯たまり醤油の極上にぼしそば
◯つけ麺
の3種類でそれぞれ大盛りやレアチャーシュと煮卵がのった特製(+250円)がある。

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鶏ベースのスープは豚骨の深い香りもあってそこに魚介というか煮干し系の香りが加わる。味に厚みはあるけど飲み口はとても軽い。魚介の独特の風味は出来合いの煮干し醤油エキスというか焼き煮干しオイルを使用していると推察される。最近は便利な調味料がたくさん出回っている。こういったガツンとした煮干しの香りのするスープが若い人を中心に最近の流行であることは承知している。

麺は低加水のプチプチ切れる細くて固い博多ラーメン系。
厚切りのバラチャーシューが2枚とかいわれ、レッドアーリー玉ねぎのみじん切りがのせられる。開店して3ヶ月なのでこれからどんどん認知されると思う。

前回の而今はこちら

大阪市阿倍野区阿倍野元町4-3
06-6657-6651
11:00~15:00 18:00~22:00
水曜定休


カテゴリー 松虫, 麺料理 |

すし豊 11月

日曜日は早朝から夕方まで障がい者施設でボランティア。雨の中での重労働のあと、銭湯で汗を流して自宅で1時間昼寝をして嫁さんと口喧嘩してから表記の店を訪問。場所は阿倍野の王子神社の近くの路地を入ったところ。すぐ先には個性派カレーの「堕天使かっき〜」のお店。下町風情溢れまくりの昭和な感じのファザードと同様、店内も昔のドラマに出てくる大衆寿司屋そのまま。カウンター8席と小上がり2卓の店内。記録を調べると私も22年前からこちらに通っていることが判明・・・

昼ご飯が遅かったのでいつものようにコースではなく好きなものだけをアラカルトでいただく。寒かったので白鹿の熱燗とともに河豚皮とアンキモを所望。

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河豚皮は普通な感じ。日本酒をいただきながらぼそぼそと食べているとご主人が「鷺岡さん(私の本名)、最近あなたのブログ見て店に来る人が多いんだよ〜」と東京言葉でのたまう。棚からメモを出して客から聞いた私の名前と職業とブログ名を記したものを私に見せる。指名手配されてるようでビックリ。ご主人がメモを取っているということはそんなには嫌がっていないということであろうと納得する。

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酒蒸しされたアンキモも丁寧な仕事で上品な仕上がりで普通に美味しい。外国産の嫌な匂いは全くしない。甘めの熱燗と相性ぴったり。

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目の前のカウンタ−の水槽には川蟹がわんさか入る。季節によって中に入るものが異なる。蟹のあとは琵琶湖の天然もろこ。そのあとは稚鮎や鱧が泳ぐ。

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富山の島田一雄さんの獲ったもので10匹に1匹しかない大きな雌のみを仕入れると言っておられた。いわゆる松葉ガニのタグのようなものであろうか。川蟹の鍋は前日までの予約で仕込みにとても時間がかかるとの説明。

諸々の話を聞いていないのにご主人から詳しく説明いただく。何度もいただいているのに同じ話は毎回される。知らない振りをして「ヘー」とか言って話を聞く。まず生きた蟹を冷水で締めて失神させる。それをさばいて殻ごとミキサーにかける。それを裏ごして殻をとる。同じ事を3回くらい繰り返して丁寧に身だけを削ぎ落とす。手間をかけて取り出した生身を蟹味噌と卵のついた殻と一緒に鍋に入れて食す。

出来上がりのビジュアルは卵白のような感じ。蟹身は独特のコクと旨みがある。途中で殻や卵から蟹のエキスが出てきてゴボウや豆腐に蟹の味が移り出汁と相まって最高の滋味となる。上海蟹よりも味わいは上品(今年は上質な上海蟹は日本に入って来ないので最近は川蟹の相場も上がっているらしい)

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握りの扉は大阪湾のハリ烏賊。熟成感もあり独特の旨みがある。中に鋳込まれた胡麻の香りが口の中に広がる。塩とスダチを軽くあてているので甘味が引き立つ。

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脂がのりまくりでネットリした鯖の漬けは口の中で溶けまくる。あこうの昆布締めも味わい深い。〆ているので歯ごたえはないが後から甘みが来てそのあと旨味も広がる。刺し身にはそのままでも美味しい高級魚だが寿司には合わない。昆布締めにすることで魚の美味さが寿司飯を通り抜けることを防いでいる。

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しっかり締めた大きな小肌。コノシロのサイズ。これはこれで美味しい。日本酒ととても良く合う。

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カンパチは片面をしっかり炙って紅葉おろしでいただく。ビジュアルもとても美しい。焦げた部分の甘い脂が咥内にまとわりついてそれを日本酒で洗い流す。握りながらも魚の話や東京での修行の話など本当に愛想よく客の相手をされる姿に頭が下がる。出される料理が彼の説明でよりいっそう美味しくなるのは確か。2016-11-27-21-19-44

濃いめのたれでしっかりと煮込まれたハマグリは濃いめの煮詰めが更に上から塗られる。しかし見た目ほど辛くはない。蛤も東京で獲れるものが最高とされていて我々の業界用語で「場違(ばち)ハマグリ」と言われる九十九里や鹿島灘産の外洋性のものはハマグリではなくチョウセンハマグリと貝種が異なるのはあまり知られていない。スーパーで販売されているのは韓国・中国のシナハマグリ。三重でシナハマグリの種を輸入したものを畜養して国産として販売していることも多い。

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名残の鱧は脂がしっかり乗ってふわふわしてとても美味しい。東京の寿司屋では鱧はあまり見かけない。その逆で山口県の寿司屋では産地ということもあり必ず出てくる。条例で山口県の寿司屋は鱧を出さなければならない・・・と決められていると聞いたこともある。

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300gオーバーの大きな鮑を2時間煮込んで作る蒸し鮑。柔らかくて旨味たっぷりで寿司飯とも良く合う。提供する際にご主人が「ウチで一番柔らかい寿司ね〜!」と言いながら出される。この口上も約20年くらい聞き続けているのでほぼ物まねが出来る。(でもしない)

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もう一度鯖の漬けをいただいてから最後に軽く炙られて提供されるこの店のスペシャリティである烏賊の印籠詰め。ヤリイカを使用する江戸前の古い仕事。この仕事についての解説も3分くらいあり世間でよくあるイカめしとの異なりをこと丁寧に教えてくれる。烏賊の胴体とシャリの間に白子が入り、両端はイカの卵が入る。レアに火入れされて甘味を増した烏賊の身とともに卵と白子の味と食感の異なりを楽しむことが出来る。

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酒が残ったので秋唐墨を出してもらう。気分はフレンチのフロマージュのようなものか。当然自家製で手前からヒラメ、鮎、ボラの稚魚。卵の種類は季節によって異なる。まろやかな仕上がりのために冷蔵庫で塩漬けして冷蔵庫で干して冷蔵庫で保管。ここでご主人の唐墨談義が始まる・・・・気楽に美味しい寿司を食べて、価格もリーズナブル。あまから手帳編修の「関西寿司100選」のトップを飾っています・・・

ご主人の 名前は安田豊次、だから「すし豊」。いい店です。。

大阪市阿倍野区王子町2−17−29
電話:06-6623-5417
営業時間:17:00~24:00
定休日:木曜日


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