天王寺/阿倍野

たこ八

子供の頃、親が実家と離れたところで商売をしていたのでずっと鍵っ子だった。年の離れた姉と朝から晩までいつも一緒だった。日曜日の昼間に吉本新喜劇を見ながら姉とたこ焼きを焼いてよく食べた。途中で食べ飽きるので「本だし」をお湯に入れて醤油と塩と味の素で味を整えてそれに浸してよく頂いた。焼いているときにタコがはみ出たらそのタコは姉が食べるという暗黙のルールがありタコの入っていないたこ焼きばかり子供の頃食べていた気がする。

そんな記憶がたまに蘇って明石焼を無性に食べたくなるときがある。明石までわざわざ出向いて老舗人気店の「ふなまち」「たこ磯」「本家木村屋」さんなどでいただくのもいいんだけど時間がないので普段は表記の店を利用する。

阿部野ではこちら以外にも創業50年の「たこつぼ」か明石焼カフェの「てんてん」にも行くことがある。しかしながら立地と使いやすさではこちらのお店が一番で、25年前から定期的に訪問する。地下鉄の天王寺駅直結で夕方に小腹がすいたときやチョイ飲みしたいときに喫茶店の代わりによく使う。

地下通路からアポロビルに続くセンタービルのB2に位置するテーブル5台とカウンター席5席の角店で店内は昭和の居酒屋風。いつものように生ビールと明石焼600円を所望。

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最初に出汁の入った徳利と三つ葉、紅ショウガ、ネギの薬味が登場。 そのあとすぐにキツネ色に焦げたふっくらした明石焼が木製の寿司ゲタにのって提供される。

塩分控えめの鰹の効いた出汁は普通に美味しい。柔らかくトロトロに焼かれた熱々の明石焼を出汁につけて口に運ぶ。ふわふわととろける食感の生地とコリコリ歯ごたえのタコと美味しい出汁と三つ葉や生姜の組み合わせは幸せを実感できる味。ビールから酎ハイに切り替えると別のマリアージュを楽しむことが出来る。

いくつ食べても飽きないのが不思議なくらい美味しい・・というか私の口に合う。

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50個くらい続けて食べれそうな感じだったがテイストを変えようと思って、豚玉にチーズと餅をトッピングしたものを所望。あっさりとした明石焼の後のお好み焼きは注文のセンスが悪かったとつくづく反省。

平日のランチはご飯と吸い物のついた明石焼セットもあるらしい。。おやつ代わりに最適のお店です。。。

大阪市阿倍野区阿倍野筋1-5-36阿倍野センタービルB2F
06-6649-5961
営業時間:AM11:00~PM20:00


カテゴリー 天王寺/阿倍野, お好み焼き, その他料理 |

居酒屋鮮道 こんび

グルメな友人から天王寺で美味しい魚を食べるならここが一番、と言われてすすめていただいた居酒屋さん。友人のご子息と一緒に訪問。JR天王寺駅北口から横断歩道を渡って阿倍野筋を北に少し行ったところに位置する。間口が狭くファザードは地味なのでかなり判りにくい。

縦に長いお店はカウンターが中心で手前にテーブル席が2つ。お店の奥には座敷と2回に個室があると言っておられた。ビールで乾杯して女将さんお薦めのお造り盛り合わせをまずは所望する。

<S>2名盛り 1,280円
<W>4名盛り 2,480円
※3名盛り 1,880円/5名盛り 3,000円

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この日の造りは手前から「縞鯵」「鮑」「あこう」「シカ鯛」「カンパチ」「ヒラメ」「金目」「鰤」「鯛」「甘鯛」の10種盛り。珍しい高級魚もたくさん入ってどう見ても原価割れ商品であることは間違いない。この内容と価格のアンバランスさにほとんどの客はやられてしまう。白身の魚は一見同じように見えるが脂ののりやその味わい、舌触りなどそれぞれの異なりを楽しむことが出来る。どれも新鮮で金目は熟成感もあってどれも美味しい。お造りはそれぞ、アラカルトもあってそれだけを目当てに来る客も多いらしい。

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お薦めのお酒を尋ねると天狗舞の純米吟醸生酒を出していただいた。すっきりした切れ味のある新酒で辛口だけど味わいも深い。

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女将さんお薦めの出汁巻玉子も所望する。ビジュアル通りに強火でさっと焼き上げているのでふわふわしてとても美味しい。こういった居酒屋さんで出汁巻を見ると30年くらい前、自分のお店の弁当に入れる出汁巻を毎日50本くらい朝から焼いていた記憶が蘇る。出汁巻は出汁が多ければ多いほど美味しく仕上がるけど焼くのが難しくなる。弁当に入れるので出汁がこぼれないように「浮き粉」という小麦粉からグルテンを除いたでんぷんを出汁の中に入れて出汁を玉子の中に閉じ込める工夫をしていたことを思い出す。

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スケソウダラの卵の煮付け。上手に炊かれているのに感心する。こういうおばんざいのような肴が日本酒によく合う。器の中の小さな手間ひまが更に美味しく感じさせる。

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「かき揚げも是非お召し上がりくださいね〜」ということなので数あるメニューの中から海老と貝柱のかき揚げを所望。ボリュームもたっぷりで海老もたっぷり入って大満足。

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金目とアコウの酒蒸しは出汁の塩梅もドンピシャで作っているのがかなり腕のいい職人さんであることが判る逸品。リーズナブルで本格的で何を食してもワンランク上の美味しさ。スタッフさんも明るくて目配りも抜群。女性客も多くて界隈のおっさんばかりが集まる昭和居酒屋とは完全に一線を画すお店。これからの季節は予約が必須。とてもいい時間を過ごすことが出来ました・・・

大阪市天王寺区堀越町13-15
06−6770−5305
営業時間:11:30〜14:30
17:30〜24:00
定休日:日曜日

居酒屋鮮道 こんび居酒屋 / 天王寺駅天王寺駅前駅大阪阿部野橋駅

夜総合点


カテゴリー 天王寺/阿倍野, 居酒屋 |

つるやⅡ

JR天王寺駅周辺は焼肉の激戦区。王道をひた走る「平和」(通称ピンフ)ではそれだけを食べることもあるくらい上ロースが美味しくて安い。その横の「萬野ホルモン舗」は名前の通りホルモンの美味しさが突き抜けている。その他の店も含めてTPOで使い分けるけどその中で最も愛してやまない店が阪和商店街にある表記のお店。

普段は一人か気のおけない友人と行くことが多い。しかしながら席数が少ないことと人気があることで時分時はいつも満席。この日は21時半に伺い、たまたま2席空いてはいたがすぐに満席となっていた。

すぐ近くには普通の焼肉店舗の「つるや」がある。こちらはつるやの串焼き専門のディフージョン版。通称「つるツー」と呼ばれる。席の後ろ全面が引き戸で外から自分の目でしっかり観察して客がいないところの引き戸を開けて入店する。席数は7つのみ。店主を含めてお店の喫煙率は高い。しかし目の前で焼く肉の煙でタバコが気にならない。

店内は薄暗くてどよーんとした感じ。同伴者が聞けば今年で35年になるらしい(この前は30年と言っていたが・・・犬並みに年を取るのであろうか)

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味のある手書きのメニューが渋すぎる。ヨネスケ師匠そっくりの店主のケンちゃんは50代半ば。気さくで楽しくてすべての客に分け隔てなくお酒を飲みながら接する。客も順番にケンちゃんにお酒をおごりまくる。客全員でテレビを見ながら世間話をしながら飲み食いする。家族の団らんのようでかなり楽しい。

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まずは上タンを塩でいただく。炭火でレアに焼かれたタンはボリュームもあって食べ応え満点。価格はすべて2本の値段。ロースも塩でいただく。焼きセンマイは分厚くて焼きにぴったりの部位を使う。生センの場合は柔らかい部分を使用。お酒は名物のカボスの入った酎ハイ。この日は5杯いただいた。客のほとんどが同じものを飲む。

ニンニクとニラ入りのこってりした醤油ダレにコチジャンをいれていただくんだけど突出したバランスの良さはホルモンとの相性抜群。赤センやマル腸との相性は特に秀逸。食感や歯ごたえがいろいろな串焼きホルモンは素材がいいので何をいただいても美味しい。

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私の一押しのソーセージはシャウエッセンを使用。炭火で焼き上げられケチャップとマヨネーズと辛子をつけていただく。ハラミの火入れは軽め。独特の串打をする手羽も普通に美味しい。客は長居せずにさくっと食べて好きなことしゃべってさっさと帰るのがマナー。釣りを取らない客が約半分くらい。心もしっかり温まって店を出る。

大阪市天王寺区堀越町15-5
定休日:日曜日
営業時間:17:00~23:00


カテゴリー 天王寺/阿倍野, 串料理, 焼肉 |