梅田/JR大阪

ボヌール

友人と新地で会食。 ご招待と言うことで喜んで参上する。北新地の外れの雑居ビルの2階。看板には創作料理と書かれている。創作料理に旨いものなしと言われて久しいがあまり期待せずに訪問。

この日は私たちだけの貸し切りらしくカウンターに分厚いおしぼりとお箸が並べられていた。。この時点でこの店イケテルと確信する。 本日はいい蟹が入っているということでお任せする。

10席ほどのカウンター。反対側の奥は、4人と6人くらいのテーブルが2つ。

ビールで乾杯してつきだしは丹波の黒豆の枝豆と野菜の盛り合わせ。

見たことのないものもあり興味深々。。セロリの芽や浜防風、破竹に大葉百合根、巨大なラディッシュ、鶯菜にセリ、ホウレン草など野菜がすべて美味しすぎる。。これだけでノックダウンさせられる。。写真を見ただけでこの上質さはわかる人にはわかる。

料理は女将さんと息子さんの2人でつくられる。お母さん料理かと思いきやいろいろ調べると凄い腕を持っているらしい。大阪一のトップレベルの食材のみを扱う。。 取材はすべてお断り食べログにも掲載はいまだにない。。

もともとはミナミの三津寺で11年営業していたらしく2007年に北新地に移転と言っていた。目の前で3時間くらい世間話をしながらの食事であった。前の店からもほぼ一見さんお断りの店だったようである。

好きなものを好きなだけいただくシステムのようだが今回は蟹たべ大会。お酒はロバート・モンダビの白。蟹を食べると体が冷えるということで最初にショウガの千切り甘酢漬けをいただく。これだけでもお酒が進む。

メインディッシュの上海ガニと毛ガニは自身でボイル。上海ガニは年に何度かいただくが生臭さもなく身入りも素晴らしい。しっかりとしたカニの旨さ・甘みがあり味噌がたまらない。。

長い付き合いの神戸の中華食材卸で手に入る最高のものを買っていると聞き及ぶ。 足の部分は女将さんが丁寧に剥いてくれる。それを味噌の残った甲羅に入れてぐるぐるかき回して一口でいただく。

続いて出てくる毛ガニは北海道に友人がいるのでよく空輸していただく。それと匹敵するくらいのかなり大きなサイズ。。市場でもあまり見かけない。

まず顔が良い。重さもずっしり。ゆで方も申し分ない。全く水っぽもなく爪の先まで綺麗に灰汁も出さずに上手に湯がいている。自分でむきながら(手伝っていただいたが)最後の最後まで堪能した。

味噌も思いっきり入っていて堪能させていただいた。カニのポン酢も女将さんの特製。旨さが上質である。基本三倍酢なんだけど最高の食材で丁寧に作っているのであろう。

話を聞くと客層、客筋がかなりいいようである。メニューもなく完全予約制なのでそのような客しか通えないのは理解が出来る。

北新地の客層に合った素直に美味しいものをストレートに提供。

毛ガニはもちろん日本酒でいただく。。その日本酒も大吟醸のピカピカ。。 女将さんを手伝う御子息は我が母校名門大阪府立阪南高校と聞き及んだ。。カウンターの距離が一層近くなる。

最後は残ったカニの身をご飯にのせてミニ蟹どんぶり。 この時期だけの蟹だけのコース料理。この日だけで体重が2キロ増えていた。

盆と正月がいっぺんに来たかのような贅沢をさせていただいた。

感謝。。。

北区曽根崎新地1-5-7 森ビル2階 06-6344-0707


カテゴリー 梅田/JR大阪, 和食 |

小好鮨

某団体の後輩と晩餐。梅田でチョイ飯の時たまに立ち寄る。予約不可の人気店なので店前で缶ビールを飲みながら30分待つ。もっと早くから並ぶおばはんのグループと世間話をしながら時間をやり過ごす。。10席ほどのかなり狭い店。お隣さんと袖触れ合う仲、すぐ背中には横引きの扉です。荷物は店舗外のロッカーに。トイレはもちろんそこらの建物のを借りる。。

トイレがしたくなるまで飲まないのが基本。。

この店はご主人とおかみさんのやり取りを見聞きしにくるのも一つの目的。夫婦ずしとも界隈で言われコの字カウンターの中が板場で、おっちゃんとおばちゃんのふたりは半歩ずつしか動けない状態で寿司を出しながら夫婦漫才をする。。

ラガービールは氷のようにいつも冷えている。 客は順番に好きなものを好きなだけ注文するスタイル。。職人歴50年以上(推定)のご主人が作り出すお寿司はどれも秀逸。

この店ではネタにちゃんずけするのがきまりとなっている。 「平目ちゃん」、「えびちゃん」、「たこちゃん。」 おばちゃんが復唱しながらメモをとる。すべておばちゃんがメモし、次ナニを何貫を握る指令をおっちゃんに伝える。おっちゃんは握りに専念。

造りの盛り合わせは中トロとカンパチ、鰹たたきと小ぶりのアワビ。。このアワビはこの店の名物で味が深くて固すぎない(北海道のエゾアワビのよう)

名物アワビの握りは殻に肝を乗せて出てきてアワビ一個が寿司2貫に変身。大きな口をあけてアワビをほおばると咥内が磯の香りで充満する。口の中がいっぱいになりしばらく会話不能状態となる。

名残の鱧は最高級の韓国産(鱧は国産よりも韓国産のほうが脂がのり骨も柔らか)梅肉をのせていただくと頭の芯が痺れる。

出張のビジネスマンや近くの総合病院の医師、中国系のお金持ちツーリストなど客層もいつもいろいろ。でも客筋はかなりいい。

巨大穴子は柔らかくトロトロと口のなかでとろけます。必ずいただく。多分足元で炙っているのだろうけどよくわからん。

好物の赤貝。。。

普段は食べないがこのお店の卵は好き。カステラのよう。

いつもだいたいお酒別でひとり4000円くらい。。

大阪市北区芝田1-3-12  06-6372-5747

→ このあと新梅田食堂街の立ち飲み洋酒酒場「北京」でウオッカとスピリタス。あてにココットで焼く名物の「エッグ」自家製「バターレーズン」でいい時間を過ごす。。 いつもマスターや常連客と話し込んでしまう。意識なくなる手前で退散する。


カテゴリー 梅田/JR大阪, 寿司 |

北京

焼き鳥のあとは毎度おなじみ立ち飲みの「北京」に。あえて紹介するのも気後れするくらいの老舗。思い起こせばこの店で30年くらい飲んでいる気がする。。土曜日の晩は比較的ゆっくりしているので常連には烏賊の燻製を出してくれる。。少しうれしい。。 まず最初にズブロッカを一気でいただく。。舐める酒ではないものが飲みたかった。。胃のそこからじんわりとウオッカの香りがする。この後味がスピリッツの醍醐味。

そのあとはフォアロゼスのソーダ割り。。。

支払いは 「キャッシュ・オン・デリバリー」(客はまず千円札を1、2枚自分の前の金属製の皿に置くまさにヨーロッパのパブのシステムと同じ)。マスターは、客の注文した飲み物を届けるたびに、そこからカネを引いていく。。

この時点で名物の「エッグ」を所望。。お店のメニューのどこにもないんだけど昔からの名物。。昔は卵が一つだったような気がする。入れ物に卵をコンコン2個割り入れてコンロにかけるだけのシンプルさ。うすく塩をしていますが、お好みで塩かけてね。と丁寧なる説明のマスター。。

半熟だった玉子も、数分後には固めのスクランブルエッグ状態に外から内にかきまわして熱々をウイスキーソーダといただく。

半熟も美味しいしウエルダンも旨い。

受け売りだが北京と言う名前は先代の御主人が満州鉄道で働かれておりその中国への想いが高じて名づけたと聞き及ぶ。ちょうど新世界に「香港」という名前の大衆中華料理があってそこの御主人が「香川県」の「港町」出身で香港と名付けたと毎回行くたびに話してくれたのを思い出す。。(どっちでもいい話だが・・・)

ワインもとっても安い。300円から400円でそこそこのワインをいただける。少し高めのカウンターも昔ながら。立っていても全然しんどくない。他の客の飲んでいる姿もまるで座っているよう。ご主人もとっても誠実なお人柄でいい接客をされる

隠れた名物の「レーズンバター」はもちろん自家製。。レーズンの旨さが違う。レーズンバターではなくバターレーズンである。クラッカーの上にこんもりと盛られレーズンの比率がかなり高い。

嗚呼、幸せ。。。。。。。

天井には大きな扇風機があり店のあちこちにレトロな雰囲気が出ている。このお店の歴史を物語っている。客筋もよくワイワイ騒ぐ客はほとんどいない

常連客の飲み方は概してスマート。ささっと飲んでさっと引き揚げる。だから回転もとても早い。。スマートな飲み方を勉強できる希少なお店である。

大阪市北区角田町9-25 新梅田食道街1F

 06-6311-2369 営業時間 : 16:30~22:40


カテゴリー 梅田/JR大阪, 居酒屋 |