フレンチ

びすとろぽたじえ 7月

パリの繊維商社に勤めておられたフランス人の友人と仕事の打ち合わせを兼ねて地下鉄四ツ橋線玉出駅東100mにある表記の店を訪問する。いつものようにカウンタ−でプリフィックスコース6000円を所望する。こちらのお店の肥田グランシェフは高校を出てから辻調理師学校一筋で創設者の辻静雄氏の片腕としてフレンチ部門を作り上げた方。

若かりし頃の肥田シェフがポキューズと一緒に写る写真が店内にたくさん飾られる。料理は当然の事ながらヌーベルキュージーヌを代表するポールポキューズやアランシャペルが作る当時のリオンのレストランのオーセンティックなレシピを中心としたもの。

まずは生ビールで乾杯をしていつものように食事の扉は豚肉の青胡椒の入った豚肉のリエットとポワールのバケット。続いて旬のとうもろこしを焼いて冷製スープにしたものは甘さに香ばしさが加わり何とも言えない上質な仕上がり。

前菜盛り合わせは根セロリのサラダ、フレンチドレッシングにオレンジジュースを合わせた人参のラペ、無塩バターが添えられた低温調理の自家製ハム(煮豚)はハーブの香りとしっとりとした絹のような仕上がり。さっぱりした仕上がりの田舎風パテは安定の美味しさ。サーモンマリネは滑らかで冷たいトマトのソルベをソース代わりにしていただく。ラタトゥーユもワンランク上の美味しさ。

アラカルトで注文したこのお店のスペシャリティのフォワグラのテリーヌは最後の在庫と言っておられた。専用壷で蒸し焼きにしたものをスプーンでこそぎ取って盛りつける。濃厚でネットリとした舌触りと独特の旨味とコク、甘味が口一杯に広がる。ドライ無花果を炊き込んだものとシェフがチョイスしてくれたアロマの強いゲヴュルツトラミネールでマリアージュを楽しむ。最近は鶏インフルのせいで上質のフォワグラが入荷しにくいとのこと。今回の材料はフォワ・グラ・ド・カナール(鴨)で世間でよくあるガチョウではない。

魚料理は初めて頂くイカめしのトマトソース。どこにでもあるようなプロバンスなソースなんだけど酸味と塩分のエッジが立って際立った美味しさにビックリ。炭水化物たっぷりなのでお腹にずっしりと来る。この料理はシャルドネで頂く。

友人は鱈と帆立貝で作ったムースを焼き込んだものにアメリケーヌソースを添えたもの。スフレ状のすり身に海老の香りとコクが濃厚に抽出されたソースの取り合わせは伝統的なリヨンの仕事で雑味や癖は全くないピュアな味わい。

トロトロに煮込まれた豚バラ肉の黒ビール煮込みは見た目よりはあっさりしている。飴色に炒められた玉ねぎで作った甘いオーセンティックなソースがビックリする美味しさ。肉に敷かれた口直しのマッシュポテトのバランスも良くて大リーガー級の豪速球料理にビックリ。豚肉なのでピノノワールと一緒にいただく。

友人のチョイスは私も以前頂いた鹿肉と和牛のソテーでソースは鹿の骨と肉と筋を炒めてマリネした野菜とともに出汁を取って赤ワインとワインビネガーを煮詰めたものを黒胡椒とブルーベリーのジャムを加えて調整したというもの。いろいろなところで色々な赤ワインソースをいただくけどこれほど濃厚で卓越した個性のある美味しいソースは始めてである。このソースはパンとローヌかシャトーヌフデパフの田舎臭いワインだけで楽しめそうな感じ。岡山で獲れた子鹿のロースも柔らかくて当然の事ながらソースとの相性もいい。

この日はお客さんも少なめだったので目の前で次の日に使うソーセージの仕込み。国産豚の塊をカットしてミンチにして撹拌。水の分量が難しくて肉の脂とうまく乳化させるのにテクニックが必要との事。粘りを見ながらそれを豚の腸に詰める。

空気が入らないように慎重に且つ手早さが求められる。腸詰めにされたものを70℃で30分加熱する。冷水で急に冷ます事でプリプリに仕上がるとのこと。ずっと物欲しそうに見ていたので自家製ベーコンとともに試食させて頂く(感謝・・・)

フロマージュはハードはオールドアムステルダムの30ヶ月熟成、白カビはカマンベールノルマンディ、ウォッシュはポンレック、ブルーはブルードヴェルニュ。ワインはポルトガルのデザートワインのアランブレ。美しい琥珀色で熟成感もあってチーズとの相性はとてもいい。ポルトガルの港の風景が目に浮かぶような取り合わせ。好みでグラッパやブランデーも用意されています。

大好きな美人パティシエが作るデセールもこの店のウリで私はこの時点でお腹いっぱいでギブアップ。フランボワーズと黒酸塊のソルベ、真っ白なコーヒー風味のブランマンジェ、チョコテリーヌにグレープフルーツピールを載せたもの、グレープフルーツのカモミール漬2種、プディングとベリーのタルト、パンプディングなどを好きなものを好きなだけ選ぶ事が出来る。。

カジュアルだけど本物のヌーベルキュージーヌをしっかりと食べることが出来る稀なお店で何を頂いても満足出来ます。お薦めは肥田シェフと話が出来るカウンタ−席。

*食事の後で訪問した北畠のバーでまたもや「ぺろぺろ店主さんですか?」と美しい女性にお声をかけて頂く。。「一度会いたかったんです〜」と言われいい気になって少しだけ会話をさせて頂く。。。ホント有り難い事です・・・。

過去のびすとろぽたじえはこちら

大阪市西成区玉出中2-13-31
06-6651-9568


カテゴリー 玉出, フレンチ |

ビストロエピス 6月

自宅近くにある表記のフレンチビストロで遅掛けに1人で食事。南港通り沿いの地下にある小さな12席だけのお店だけど、手頃なコースメニューからアラカルトまで幅広く、お店はカジュアルで使いやすい事と突き抜けた料理の美味しさで、私が最も大好きなフレンチレストランの一つ。

この日は閉店まで時間があまりなかったのでお任せでアラカルトを組み合わせして頂く。

生ビールとともに最初に出てきたのはトマトのテリーヌ。トマトを湯剥きせずに包丁で削いで塩をして脱水。それを茄子の皮部分で巻き込んで冷やしたもの。トマトで作った透明のゼリーとトマトの果肉とバジルを合わせたムース状のものをソースとして使いながら頂く。凝縮された味わいの茄子とトマトの美味しさはともかく、トマトの果肉の部分の味と皮部分との食感の異なりやトマトゼリーの繊細な味わいにビックリ。この一皿でシェフの実力が判る初夏の冷菜。

「北海道釧路の仙法師産牡蠣があるけどいかがですか」と聞かれたので喜んで所望する。こちらの牡蠣は水温が低い為に年中出荷される。現在は流通がいい為に鮮度のいいものが大阪でも手に入る。エシャロットと生クリームと酢、白ワイン、オリーブオイル?、レモン果汁?を合わせたエッジの効いたソースで頂く。強い酸味を生クリームで甘さを補い、エシャロットの風味もプリプリの牡蠣によく合う。こちらのお店の牡蠣料理はオランディーズのソースを使ったグラタンを頂いた事があるけど冷菜では始めて。セレクトいただいた白ワインと一緒にいただく。美味し過ぎて気を失いかけてしまう。。

お店はシェフとフランス人のセカンドの2人で運営。敬愛する奥野シェフは単身フランスでフレンチの基礎を学び、帰国後にサウスタワーホテル(現スイスホテル大阪)のレストランラツールで活躍されその後こちらのお店を開業。現在の流行のフレンチとは一線を画したガストロミックな料理献立と塩とビネガーをしっかり使用した、腰の据わった味わい深いソースが特徴。スチームコンベクションを使った料理が界隈で多い中、フライパンだけで仕上げる絶妙の火入れも素晴しい。

続いては新鮮なツブ貝のブルゴーニュ風が提供される。。今が旬のツブ貝をニンニクがたっぷり入ったソースでソテーしたものだけどエスカルゴよりもコリコリした食感と部位によって異なる味、喉を通ったあとに鼻に抜ける貝の風味に悶絶する。・・・甘い貝のエキスが染み出たニンニクバターソースをバケットに浸けて頂くとワインがすすみまくる。

当初は羊のローストをお願いしていたけどシェフが献立の変更を提案。いいフォアグラが入ったので鴨肉と一緒にいかがですかという事だったので所望する。鶏インフルエンザ等の影響でフォワグラの入荷が難しいのは周知の事実。シャラン産の鴨肉を最初に燻煙してからじっくりと低温で火入れする。ロゼ色に焼き上げられた鴨の身はしっとりとしたビロードのような舌触りで歯を立てると肉の芯から濃い旨味が舌の上に「じわー」と広がる。ワインはサンテミリオンのグランクリュクラッセをグラスで提供いただく。高価なワインなので恐縮する。

カシスの入ったシェフお得意の甘めの赤ワインのソースとフォワグラ、鴨肉の旨味と風味が相まって記憶に刷り込まれる界隈町場のフレンチでは味わえない一皿となっている。一見どこにでもあるような料理かも知れないけどそれがどこよりも美味しいというのがこちらのお店の特徴。
夜のコースは4000円と6000円、10000円でどれを頂いてもボリュームたっぷりのハイコスパです

お店が小さいので予約は必須。貸し切りも対応いただけます。。

HPはこちら
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大阪市住吉区帝塚山東1-3-36
06-6675-0211
定休日:火曜日の夜と水曜日


カテゴリー 姫松, フレンチ |

びすとろぽたじえ 3月

地下鉄玉出駅徒歩3分にあるお気に入りの表記のビストロが1周年を迎えたということで祝意を伝えに訪問する。こちらのお店の肥田グランシェフは高校を出てから辻調理師学校一筋で創設者の辻静雄氏の片腕としてフレンチ部門を作り上げた方。料理はヌーベルキュージーヌを代表するポキューズやシャペルが作っていたリオンの代表的なレシピを中心としたもの。

普段はプリフィクスになったコースメニュー6000円がお得でお薦めなんだけどこの日は周年の記念メニュー5,800円のみとのことなのでそれを所望する。

カウンタ−で当年67才となる年季の入りまくったシェフの手さばきを見るのがいつも楽しみ。最初の座付きは豚肉のリエットと帝塚山ポアール謹製のパリジャン。これはいくらでもお替わりが出来る。

最初のコーンスープはさらりとした味わいだけど後口がとてもいい。

前菜盛りあわせはいつもの定番メニュー。名物の低温調理された自家製ハムは無塩バターを載せていただく。口に入れるとハーブの香りとネットリとした舌触りとともに豚肉の旨味が口の中に広がる。人参のラペはフレンチドレッシングにオレンジジュースを合わせたものとの説明。根セロリのサラダは王道の美味しさ。

上品な食味の田舎風パテはピクルスと一緒にいただく。リオンの古典的な料理のマリネしたサーモンの上にトマトのソルベをソース代わりに載せたものは食材の温度差が楽しい。シャルドネと一緒にいただくとフランス旅行の気分。

平目のスフレは平目と帆立貝をミキサーにかけてつなぎを入れて青寄せを加えてはんぺん状にしたもの。それを別の平目の身と合わせて蒸し上げて天火で焼いたもの。ソースはバターをたっぷり使ったアメリケーヌでパンチとボリュームのあるクラッシックな味わい。

鶏モモ肉の煮込みは春の定番のモリーユの香りがしっかりするクリームソース。和食ではほとんど使わないアミガサ茸。最近は北海道でもフレッシュのものが穫れると聞いたことがある。これは当然ピノノワールがあう。

モリーユはイタリアンのクリームパスタでもたまに頂く。これが入るだけで肉料理の味が引き立つような気がする。

この日は乾燥モリーユとフレッシュのものを合わせて使用していると言っておられた。見た目は悪いけど100gで2万円くらいするものもあるというトリュフより高価な食材と聞いたことがある。

美人パティシエが作るデセールはフランボワーズと伊予柑のソルベ、コーヒー風味のブランマンジェ、チョコテリーヌにグレープフルーツピールを載せたもの、グレープフルーツのカモミール漬、プディングいちごのタルト、パンプディングの豪華盛り合わせ。

お腹いっぱいではち切れそうになって帰りました。。

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大阪市西成区玉出中2-13-31
06-6651-9568


カテゴリー 玉出, フレンチ |
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