フレンチ

ビストロエピス 2月

チンチン電車の阪堺線の姫松駅東50mで南港通り沿いの地下にある私が最もヘビーユースするフレンチを貸切で訪問。名前はビストロだけど料理は完全なクラシカルフレンチ。ビネガーと塩をしっかり使った腰の座った深い味のソースが特徴。スチコンを使用せずフライパン一つで完璧な火入れをするシェフの技術にいつも脱帽する。

総合的な料理の美味しさは大阪でベスト3に入ると個人的には確信する。オーナーシェフの奥野シェフ氏はサウスタワーホテルで伝説のフレンチ料理人に師事。フランスでの武者修行もあってオーセンティックな献立は定評あり。

小さな12席だけのお店だけどこの日はフランス人のセコンドと台湾人の見習い、パティシエのマダムの4人で切盛りされる。

夜のコースは4000円と6000円、8000円なんだけどこの日は5000円でオリジナルメニューを仕立てていただく。

ビールで乾杯をして料理の扉は前菜盛り合わせから。奥から豚肉のリエット、ミディアムレアに火入れされた軽くスモークしたノルウエイサーモン。ローストビーフ、フォワグラのテリーヌにりんごの赤ワイン煮を添えたもの。締め鯖の上には酸味のある野菜のソースとその下には焼き茄子が忍ばされている。大胆かつ細やかな仕事で何をいただいても口に会う。

ストーブごと提供された次の料理は一見ブイヤベースのように見えるけど魚介と野菜がしっかり入った鍋仕立ての新作の魚料理。

辛味のあるスープが特徴で魚介と野菜の甘み、キノコの旨味がうまく抽出された後を引きまくる深い味わい。最近の奥のシェフのスペシャリティとのこと。

鍋のスープを使ってリゾットが提供される。海や山や自然の恵みが凝縮されたエキスとなってコメをコーティングしパルメサンチーズのコクと相まってさらに深い味わいとなる。

メインディッシュは鴨肉のロースト。フォワグラが添えられていてカシスの入った得意のソースと一緒にいただくと至福の味わい。ワインはソムリエの資格も持つ奥のシェフお勧めのスペインのテンプラニーニョを合わせる。

デセールはキンカンのタルトとバニラのソルベ、キャラメルのムース・・・美味しくないわけがない・・・全ての料理が派手ではないし繊細な盛り付けでもないんだけどどこよりも美味しいことは間違いない。お店が小さいので予約は必須。貸し切りも対応いただけます。。

過去のビストロエピスはこちら

大阪市住吉区帝塚山東1-3-36
06-6675-0211
定休日:火曜日の夜と水曜日


カテゴリー 帝塚山, フレンチ |

リッツ・カールトン大阪 The Bar ワインガーデン

年末に友人に誘われてリッツ・カールトンのバーが主催するグランピングのようなワインイベントに参加。

チャペルの下の小さな広場に仮設の小さな個室を作ってナパワインと軽食を提供すると言う主旨なんだけど個室に寒風吹きすさぶためある意味、我慢大会の様相となる。電気毛布を装備しているのはさすがリッツという感じ。

若くてイケメンの小川くんのフレンドリーな接客とサービスもとても良くてホテルマンの苦労話や付き合っている彼女の話など接近戦で色々話しながら食事を楽しむ。

前菜はカボチャのスープ。隣接するフレンチのラベで作っていると言っていたけど味は普通。バケットは流石の驚きの美味しさ。

ワインは9月に訪問したスタッグス・リープ・ワインの横飲み。樽香のよく効いたものばかりでかなりの好み。

メインは鴨肉のコンフィ。肉を塩漬けにし て、油脂に浸して低温で揚げ煮にしたもの。とんがった塩加減がワインによく合う。

温野菜とキノコの盛り合わせも口直しにちょうどいい。

デセールはタルトタタンと洋梨のワイン煮でどちらもアイスクリームを添えている。

小川くんが作ってくれたカプチーノは失敗作らしいが男前だから許す。寒空の中でキャンプをした気分を味わえました。でも暖かい粕汁食べたいです・・・・


カテゴリー 梅田/JR大阪, フレンチ |

北区 某フレンチ店

北新地のビルの3階にある看板なし、電話番号非公開、住所非公開、完全紹介制、宣伝広告一切なしのフレンチレストランに魚料理店を経営する実業家の友人に誘って頂き訪問する。こちらのお店は豪華食材を惜しみなく使用する、いい意味で変態で次元を超えた料理で有名。

カウンタ−9席のみのオープンキッチンで一斉スタート。シェフ1人で仕込み、料理、サービス迄すべて切り盛りされる。

最初にビールを頂いて、料理の扉は温かい牛蒡のすり流しにアルバ産の白トリュフをてんこ盛りにしたもの。牛蒡のパンチのある風味とトリュフの風味がベストマッチ。

2.8kgの巨大な白甘鯛を放血神経じめをして40日熟成をした刺身にアサツキを添えて一缶120万円のベルーガキャビアをてんこ盛りにして千鳥酢をベースにした角の取れた酸味のあるソースをかけて振り柚子をしたもの。

食材はすべて最高級のものばかりでセンスのいいシンプルな組み合わせに脱帽。

グラスワインをお願いするとシャサーニュ・モンラッシェの一級畑のものが登場。ミネラルと果実味とコクのバランスがドンピシャの大好きな白。

1kgオーバーの金沢の七尾で獲れた「のどぐろ」を 2週間熟成させて皮目だけを炭で焼き込んだものが登場。ソースは韓国料理に使う「 えごま」をピューレにして梅肉と合わせたもの。花穂紫蘇とバスク唐辛子が上にかかる。

目の前に見た事もない巨大なポルチーニが登場。

そのポルチーニを大きくざく切りにして火入れをし、その上に解禁を迎えた佐渡産の大きなずわい蟹の身を蟹味噌と一緒に甲羅に詰めて蒸し上げてからさらに炭火で焼き込んで蟹身に香ばしさを移してからおもむろにポルチーニの上にてんこ盛り。吉野葛にベルモットと蟹出汁汁とトリュフを合わせた和風のソースがかかる。食べ応え満点で何とも言えない贅沢な独特の体験。

続いてのグラスワインは無敵のムルソー登場。。ちなみにドンペリニオンは15万円との事・・・・

天然の縞鯵を 3日熟成させたものを炭で直接に 皮目だけを炙り、 かんずりと米麹をさらに発酵させたものを合わせて、更にトマトソースを加えたものを掛けて 24か月熟成のパルミジャーノを掛け、 木の芽 とすだちを添えたもの・・・素材の美味しさはもとよりコンストラクチャーがとても巧みである。

五島列島産の35キロ級の天然クエを 30日熟成したものをスチーミングしてその上に白胡麻に魚醤を合わせたソース。その上に黒七味と花穂紫蘇がかかる。クエの下には京都産の寄せ湯葉が敷かれる。

唯一の肉料理はニューヨーク産の鴨肉。空輸された塊をおろして皮目をフライパンでこんがりと焼き付ける。余熱で火入れしたあとに銘々にカットして再度炭火でドンピシャに焼き上げて完成。同じ鴨のフォワグラを塊のまま焼き上げたものを一緒に添える。

黒豆味噌の豆豉とアサツキのソースで頂く。アンチェで焼き上げたフォワグラはプリプリのふわふわでプリンのよう。

合わせる赤ワインはシャトー・オー・バージュ・リベラル。カベルネ75%のメルロー25%で 豊かな味わいの強靭で円熟したもの。

〆は巨大な白甘鯛の骨で取った出汁を使用した生姜風味のリゾット。新潟県の村上という所のすじこを血管のついたままてんこ盛りにして、その上にグラッパで洗ったカラスミをのせたもの。

独特の世界観のある料理をほぼ一気にコースで頂き大満足。支払はワイン3杯で4万円なり。次の最短予約は来年の7月以降とのこと・・・(なにもかも凄い・・)


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