すし豊

阿倍野の老舗寿司店の「すし豊」に突入。。 今やグルメ雑誌の常連であまから手帳や数多くのブログで紹介されている。 しかしながら御主人はいたって優しく丁寧。。。 手ごろな価格で本格的な江戸前の握りを食べさせてくれる。 初めてのお客さまも分け隔てなく接する姿にいつも感動する。 食事をしながらカウンター越しにいろんな話をする。御主人は本当に寿司が好きでより旨いものをできるだけ安くお客に食べてもらおうとする気持ちが伝わってくる。。。 伊勢海老鍋とお寿司のコースや夏は鱧やアユなど四季折々の食材をいただくことが出来る。 東京銀座の名店新富寿司(東京に行ったときに今でもたまに行きます)の修行が辛くて1970年に阪万博見物を理由に仲間と一緒に脱走したと聞き及ぶ。それ以来大阪で江戸前寿司をにぎっているらしい。 今でこそあちこちで見る江戸前の仕事であるが彼がパイオニアであることは間違いない。 御主人の名前が安田豊次、だからすし豊らしい。そういえば銀座の新富寿司も当初は新橋にあって富太郎という方が創業されたので新富寿司という名前になったと聞いたことがある。 最初に生ビールをいただいて・・・・・ henokoiwasi.JPG 付きだしはひこいわしの酢みそ掛け。。 この時期たくさんとれるカタクチイワシだが新いものはなによりのご馳走である。 南蛮漬けや白ワインで蒸しても最高である。。最初にこの突き出しを出すセンスが素晴らしい。 kouikasayori.JPG まず最初は大阪湾でとれたハリイカ。一発目からやられてしまう。剣先イカよりもコリコリして下に敷かれた黒ゴマと塩とすだちがいいバランスである。これを食べるために大阪まで来る人もいるそうである。 この時期のサヨリは定番。。サイズも大きく繊細ないいお味。。。実はサヨリ大好物。。。。 iwasihamaguri.JPG ひこいわしの握りはいくら食べても食べ飽きない。繊細で臭みも全くなく吟醸酒と一緒にこれだけたらふくいただきたいと思った。蛤の握りは甘辛に炊きこまれた煮蛤に甘い煮詰めはこれぞ江戸前。。。 本醸造の安い日本酒にぴったり。。 moroko.JPG 横の客が食べていた「もろこ」を所望。水槽にたくさん泳いでいて千葉産と言っていた。頭を下にして炭で焼くと脂が頭にたまって唐揚げ状態。。この食べ方も初めてで非常に素晴らしいと思った。 aoyagikanpati.JPG 青柳(いわゆるバカガイ)は関西では貝柱しか食べないが身の部分も貝独特の癖があり個人的には大好き。。 そしてこの店の定番の光り物「こはだ」。(写真忘れた。。。。) 一匹づけで〆が強いかと思いきやかなりマイルド。。脂も乗っているのがよくわかる。 池波正太郎も愛した新富寿司のコハダを踏襲していると確信する。。 カンパチはあぶって軽くあぶって塩をぬり、スダチを軽くしぼり紅葉おろしとをポン酢味の浅葱を乗せて出てくる。ホクホクして香りと脂の甘みがよく出ている。実にうまし。。。 ebi ebiatam.JPG しらさ海老の踊りはひたすら甘く頭と髭と殻は唐揚げにしていただく。。。 なんとも細やかな仕事に脱帽。 ikuraanago.JPG このお店で一番かたいネタがこのイクラだそう。 岩手県の産卵直前の川に遡上する前の完熟卵にこだわる自家製。口の中で暴れまわる。ぷちっぷちっと音がするくらいの弾力がある。あんまりこのイクラは他店でいただいた経験がない。旨みはかなり濃厚であることは間違いない。 穴子も大阪湾と言っていた。 口の中に入れた瞬間ホロホロホロッと崩れる。。シャリの方ももちろんネタにあわせて大きさ固さを変えているらしい。 taisirakoawabi.JPG この時期とてもうまい鯛の白子はポン酢でいただく。。。こに店で一番柔らかいネタといわれるアワビも江戸前の仕事。。。シャリとの調和が素晴らしい。。。 ikainrokaburasaba.JPG これも名物のイカの印籠詰め。 ヒイカの両端に卵、真ん中に白子が入っている。美味しすぎて失神しそうになる。 赤いのは味が三回変わると言われているヒラマサのかぶらすし。 「味が3度味わえるから、わかるまで飲まないでね」と御主人のたまう。。。 最初、カブのさっぱりした感じがきて、そのあとヒラマサのコクをあじわえ、さらに鷹の爪のピリッとした感じが心地よく楽しめます。とのこと。。。納得。。。。 気になった鯖も握っていただく。。。。ああ満足。。。。 tukemonosusitoyo.JPG 締めは紀ノ川漬けが特に美味しい漬物盛り合わせ。。 このコスパの高さと親しみやすさはまさに下町の名店。。。 予約必須。。。 大阪市阿倍野区王子町2-17-29 06-6623-5417 木曜日休み


カテゴリー 東天下茶屋, 寿司 |