2013年11月

ラ ボンヌ ターシュ

私どもの会社の顧問をしていただいているフードコーディネーターの先生と表記の店を訪問。個人的にはこの夏にオープンしてからもう何度も訪れている。そしていつも同じものを食す。しかし何度食べても食べ飽きない。界隈のフレンチとはテイストが全く異なる。

場所は古美術店や弁護士事務所がひしめく裁判所の裏で「老松 喜多川」の隣。「イザイ」「ピクレコ」など新店ラッシュのある美食ストリート。ファザードは木調でカフェのよう。看板もない。知らなければ通り過ぎてしまう感じ。

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今月の婦人画報でも日本全国のフレンチレストランでランキング2位、知人のシェフも間違いなく日本一のフレンチと認める東京・三田にある「ラ・コート・ドール」で8年修行した田村シェフのお店。ありがちな流行のフレンチではなく修業先の技をしっかり感じさせるオーセンティックな正統・新古典料理を提供。店名の意味は「よい仕事」らしい。コートドールの斉須シェフが名付け親と聞く。

料理そのものはコートドールのスペシャリテやそのコンセプトをなぞった形の料理。つまりコ―トドールそのものの味を食することが出来る。田村シェフもそれを職人として継承することをよしとされている。

簡単なようなんだけど古典的なスタイルの継承は一つ間違えば野暮ったくなり客にその本質が伝わりにくい側面もある。ただ食材の見極めや仕事の丁寧さを見る限りその心配は無用と推察される。

総じて言えば流行のフレンチにありがちな示唆にとんだいけてるスタイルではない。たとえば普通の飾り気のないムースが口に入れたとたん無限大に味が開花するような仕事をされる。どこにもあるようでどこにもない。。わかる人が見れば大感激。

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まずはシャンパンで乾杯。店内は明るいベージュのフローリングと木を効果的に配した温もりのあるクラッシックモダン。座席はゆったりと配されたカウンター8席のみ。広いピカピカのステンレスのオープンキッチンでシェフが一人で調理とサービスをされる。流行のスチームコンベクションなどはなくすべて直火仕様。

コースはおまかせの5000円のものとアラカルト。初めて訪問される方はデザートに食後の飲み物まで付いたおまかせコースがおすすめ。

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アミューズはコートドールのスペシャリティの「赤ピーマンのムース」今回の訪問もこれが一番の楽しみ。

田村シェフはコートドールにいたときこの料理を嫌という程、作り続けておられたのでかなり安定した仕上がり。見た目もかなり美しい。スプーンで食すと赤ピーマンのねっとりした食感と素材独特のクセとトマトのクーリーの酸味などが見事に調和。何十年前かわからないがこの料理が出来たときはフランス料理界が騒然となったと聞く。まさに伝説級のスペシャリテである。

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オマール海老のムースも一見普通のどこにでもあるような感じなんだけど食すとオマールエビの濃厚な香りと風味が口の中いっぱいに広がる。口の中がすべてオマール海老になる感じ。アフターに鼻から抜ける香り(アロマ)がまさに往年のフランス料理って感じ。しかも上品な仕上がりはさすが。私のような甲殻類ラバーは必食の逸品。

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ラ スール カデット ブルゴーニュ シャルドネ 2010はかなり手頃な値付け。柑橘系のような香りに程よい酸味でフレッシュな味わい。

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次にコートドールのスペシャリティというか今やシグニチャー、アイデンティティーとなっている「エイのムニエル 焦がしバターソース 」。

皮付きのエイの身は繊維毎に解れてゼラチン質が多いためかとろけるような甘味としっかりとした食感が感じられ、淡白なんだけど噛めば噛むほど溢れるような旨味が楽しめる。

最近見かけなくなった焦がしバターの香ばしさとビネガーとケッパーの酸味がパンチのあるエイのジューシーな白身の魅力倍増させる。焦がしバターもギトギトになりがちだけどそこはプロのテクニックが生きる。

他のフレンチでは味わえない軟骨のコリコリ感と身質のシットリ感、エッジの効いた塩の効かせ加減も往年のフレンチらしくてワインを誘う。私の友人でコートドールのこのスペシャリテが日本で一番旨い魚料理と言う方も多い。上質なエイは食材の安定的な仕入れも難しく現在は北海道から直送してもらっているらしい。

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ここで赤ワイン登場。果実実が深くて風味の良い手頃なものをセレクション頂く。

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メインはギラッと光るソースが特徴の牛ホホ肉の赤ワイン煮込み 。上質の肉はかなり柔らかくて、口の中でとろけていく。ソースも旨味とコクが良くてワインにドンピシャ。咀嚼しながらワインを頂くと気絶しそうなくらい旨い。付け合わせの人参のピューレも風味が濃くて香り良いのに驚く。

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デザートのブリュレは赤玉を使用。バニラの香りも効いてて滑らかで濃い食味。普段食べつけないので他店に比べてどうということはわからないけどしっかりしたデザートという印象。

すべての仕事をシェフ一人でされるので少し時間はかかるけど親しい友人と話をしながらワインと共に食事をするにはとてもいい。とてもいい店です。。

大阪市北区西天満4-1-8
TEL 06-6312-1777
営業時間 18時~23時
定休日 日曜日


カテゴリー 梅田/JR大阪, 北浜, 西天満, 淀屋橋, フレンチ |

日南水産

翌日はフライトまでの時間にレンタカーで宮崎観光。宿泊ホテルでご紹介いただいた表記のお店は日南海岸沿いにある。創業35年らしい。お店は海の家のような平屋の建物。店内はまったく飾り気のないシンプルな建物。大きないけすが店内・外にあり牡蠣や大アサリなどの貝や伊勢エビが泳ぐ。

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店内は解放感があり窓の外はすぐ太平洋。岬や鬼の洗濯板も見える絶好のロケーション。窓側の席で海を見ながら食べると非日常的で最高であろう。駅前なのでこの日も地元の方が宴会をしていた。

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伊勢エビは100グラム1万円と表記。。どちらかと言えば場所柄から言って強気の商売。

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お店の方おすすめの炭火焼スペシャル8925円(2人前)を所望。伊勢海老、サザエ、アサリ、帆立、牡蠣などを、テーブルの横にセットされた炭火コンロで自分たちで焼いて食べるスタイル。味付けは、レモン、塩、醤油。ちょっとしたバーベキュー気分を味わえて楽しい。

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醤油が九州独特の甘いものなので口に合わない。。残念。。しかし香ばしい香りでお酒が進みまくる。

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プリプリした伊勢海老の身は絶品。しかしこれで3000円と思うと微妙なり。地元のものは伊勢エビと牡蠣だけで他は他府県から購入らしい。帆立は北海道と言っていた。

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伊勢海老の頭の部分は味噌汁。味噌が溶け込んで強烈な旨さ。海老蟹好きの私は海老蟹の殻をむくのが得意。伊勢エビも大振りであれば角や足の身を食べやすいように瞬時に剥くことが出来る。

お腹のところの身も味わいが深くてかなり美味しい。隣の客は汁のみを飲んでおられたがもったいないなと思いながら見る。

店員の態度とかはかなりいまいち。いわゆる有名店病。それなりの金額を支払ってそこから30分の鵜戸神宮参拝。

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太鼓橋を渡り断崖沿いに作られた階段を下りていくと社殿前の境内。ここから有名な直径2センチくらいの素焼きで出来た運玉を投げる。境内から10メートルくらい離れた亀の背中の形をした岩の窪みに玉が入れば願いが叶うらしい。男性は左手で女性は右手。観光客の姿が見られる。この日はちょうど雨あがりだったので、頂の窪みには水たまりが出来てて第1投でポチャンと入る。ジャイアンツからスカウトが来そうなコントロールににんまり。

宮崎市内海6225-3
098-567-1349


カテゴリー 九州地区, 和食 |

釜揚げうどん おだまき

連休は宮崎出張。会合のあと繁華街でマッサージに行ってラーメンでも食べて帰ろうかと思ったが友人と宮崎は釜揚げうどん発祥の地という話になって有名店の表記の店を訪問する。

宮崎って「チキン南蛮」とか「肉巻」とか「サラダ巻」とか「レモンステーキ」あるけどどれも私の口に合わない。。。どうしてかわかんない。。釜揚げうどん発祥の地って香川県と思っていたが以前に愛知県と聞いたこともある。

そんなことはどっちでもいいのだがスナックビルの奥まったところにあるお店に行くと深夜訪問なんだけどお店は客だらけ。15坪くらいのお店に店員さん4名。

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メニューは超シンプルで、・釜揚げうどん・大盛り・卵入りの3種類のみ。今回は、『釜揚げうどん:600円』を注文する。どういうわけか15分くらい待つ。

店内はサイン色紙が並んでいる。ジャイアンツの選手もよく来るみたい。そうこうしているうちにうどんが入った碗と、濃いダシつゆが張られた碗が登場。

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ダシは濃厚茶褐色で大阪のものとはモノが違うネギと天カスが最初から投入されているのが特徴。出汁は効いているんだけど妙な甘味と酸味がある。。レモンでも絞っているのであろうか。。酔っているんでよくわかんなかった。

麺はツルツルしてて柔らかい。稲庭うどんを湯がき過ぎたような感じか。卓上の乾燥ゆずと唐辛子をかけまくる。あっさりしているので胃には優しい。聞けば宮崎の人たちは柔らかい麺が好きでカップ麺も10分以上おいて食べるらしい。所変われば品変わる・・・とはよく言ったものである。

宮崎県宮崎市中央通り2-23
電話: 0985-27-9984
営業時間 19:00~
定休日  日曜日
駐車場  なし

 


カテゴリー 九州地区, 麺料理 |