影武者

アベノハルカスを南に下り松虫交差点の南西角にある新進気鋭のラーメン店。周りの友人の評判もよく近くの酒屋さんにワインを買いにいった帰りに初めて訪問する。11:30開店なんだけどその時間帯にはすでに数人が並ぶ。

お店はL型のカウンターに8席のみ。店主と女性の方2人できりもりする。

メニューは

■らーめん■
・塩らーめん 750円
・醤油らーめん 750円

■ランチメニュー■
・Aセット(ごはん付) +80円
・Bセット(小ちゃーしゅう丼) +230円

■セットメニュー■
・からあげセット(からあげ3個、ごはん) +380円

■トッピング■
・麺大盛(1.5玉) 100円
・味玉 100円
・めんま 100円

■一品■
・ごはん 180円
・ごはん大 230円
・ちゃーしゅう丼 430円
・からあげ(5個) 480円

醤油ラーメンの唐揚げセットを所望する。レードルでかなり正確に分量をはかる。醤油もきちんとはかる。作業がかなり丁寧。こんなに丁寧に作るラーメンは未だ見たことがない。

2014-12-25 11.38.55

ほどなくして注文した醤油らーめんが登場する。白髪ねぎ、糸唐辛子がトッピングされたかなり美しいビジュアル。細切りのメンマとサラダ水菜が添えられていて肩ロースと思われる厚切りのチャーシューが2枚。スープはオイリーな感じの淡い黒色でなかなか渋い面構え。

まずは一口スープをいただく。その瞬間後ろに倒れそうになった・・・・かなり深くて複雑で繊細な・・・ここまでよく作り上げたと感心するできばえである。口当たりが甘いというかとてもマイルドでたぶんいくつかの醤油をブレンドして熟成させた丸みが前に出る。普段はあまりラーメンを食す習慣がないが舌の上でこのスープを因数分解してみる。

まずベースは鶏であろうか、しっかりとコクを感じる。豚骨か豚足の厚みと旨味もしっかりと感じる。さらに旨味の塊である最近トレンドの鶏節を使用していると思うのだが凝縮された鶏の香りというか旨味も感じる。これを使うことでスープに深みとパンチを感じる。魚介のコクは鯖節、鰹節、秋刀魚節、鮪節のいくつかのものをブレンドしているのであろう。醤油に負けない風味をしっかりと感じる。

鰹節を大量に使うと感じる独特のいやな酸味も全くない。またほのかに貝の味もするので塩ダレかどこかに入れているのであろう。しかしこの部分はわかんない。化学調味料は使っていないとすると間違いなく鶏節でグルタミン酸を補っているのだと思う。普通はこれだけ様々な食材を使ってスープを作ると味が何がなんだかわからなくなるのが常であるがしっかりと論理的にバランスを計算されているために高いレベルで味がまとまる。

またいろいろな乳化した食材の脂やアクや匂いをとるために掃湯(サオタン)されているのにもビックリした。目の前にスープのずんどうがあったので覗いてみたら鶏のひき肉のようなものでされていた。洋食では卵白を使ってすることが多いが中華料理ではひき肉を使う。しかしここまでするラーメン店は滅多にない。

焦がし玉ねぎと柚皮が味にアクセントを更に付ける。。味の層が何重にも重なりあって上に上に上がってくる。。かなり完成度が高いスープなんだけど途中で店主が私に「スープどうですか。今試行錯誤しているところなんです・・・」と尋ねてくる。。もっと美味しくしようもっと味を高めようとする求道者のような若き店主に尊敬の念を覚える。

麺はやや細のストレート。加水は普通でプリプリしてモッチリしてしっかりとした噛み応えがある。旨味たっぷりスープに相性抜群。

特筆すべきは中に入る厚切りのチャーシューでよく世間にあるような柔らかいだけのものではなくしっかりとした食感がある。多分肩ロースを醤油漬けにしたものを低温調理で仕上げたものと思う。味付け、塩加減、風味どれをとってもかなりのレベルの高さを感じる。久しぶりに旨いと思った・・・

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からあげセットは+380円で「からあげ3個」と「ごはん」が付くんだけど思ったよりも唐揚げが大きい。しっかりと味も付けられていてジューシーで美味しいんだけど今度はラーメンだけ集中していただきにくる予定なり。

大阪市阿倍野区阿倍野元町4−3
06−6624−5488
営業時間11:30~14:00
18:30~21:00
※スープ切れ次第終了
定休日:月曜日
※祝日の場合は翌日


カテゴリー 東天下茶屋, 松虫, 麺料理 |