Il Povero Diavolo(イル ポーベロ ディアヴォロ) 再訪

2週間前に訪問し、感動のために帰りがけに再度の予約を入れた個人的本年衝撃度ナンバーワンのイタリアン。場所は大阪の卸売り市場の「木津市場」の東隣の阪神高速の高架下に2013年10月にできたグルメゾーン「なんば木津まち横丁○(エン)」の一角。御堂筋線の大国町や今宮戎駅から徒歩5分くらいだけど、この場所は繁盛イタリアンがあるような立地ではない。

夜は人通りがほとんどないために新しい店が出来ては潰れ出来ては潰れを繰り返しこちらのお店以外はこの日もほとんど人がいないような状態。空き店舗も多数。こちらの店もプレハブ造りで入り口はビニールシート。しかしながらデザインがしっかりと入っているのでチープさは全く感じない。テーブルやイスの調度品から壁や電灯の色まで計算し尽くされた店内は見ているだけでとても楽しい。シェフに聞くとビックリするような内装代でした。コースはこだわりの7500円のみ。

2015-03-12 18.56.48

この日は飲食関係の友人3人と一緒に相伴する。ビールを頂いてまず最初に出てきた料理が「黒ムツとカブ」この時期に脂がのって最高に美味しい黒ムツは木津市場でその日に吟味して仕入れたもの。ソースは黒ムツの肝をペーストにしてかつお出汁と合わせたもの・・・と思う。ココナッツの味もする・・・サービス君もとても若くて明るい・・提供時は食材しか言わないのでどうやって作るとかソースの解析など話題に事欠かない料理である。すべてが魚料理で且つ和風のエッセンスが入ってとても馴染みやすい。つい「うわっ」と声が出る食味である。お箸もあるのでとても食べやすい。

2015-03-12 19.04.18

最初のワインは前回も頂いたラバスコロザートラサリータ2013 モンテブルチアーノ種のロゼワインでしっかりしたボディで強烈なアタックがある。春らしくて綺麗でとても素敵なんだけど今まで飲んだ事のあるロゼワインとは完全に一線を画すものである。

2015-03-12 19.07.16

「マテ貝 あさり さざえ さざえの肝」磯の香のする泡のソースなんだけど底にサザエの肝のペーストがあって驚きの連続。。舌がビックリするというか頭がついていけないような今まで食べた事のない美味しいソース。

2015-03-12 19.22.18

「ヒイカとアスパラガス」ウイキョウとほうれん草のソース。ウイキョウ(フェンネル)の強い芳香がとても刺激的。

2015-03-12 19.39.12

ワイン二本目は思い切ってこちらののお店で一番高額な白ワインのヴィンテージ・トゥニーナを所望する。今やイタリアの白ワインの造り手としてナンバーワンと言われるイエルマンのもの。

冷やし過ぎ厳禁で一口頂くと辛口の重口でコクもあって蜂蜜や果物のようなアロマも強く感じる。シャルドネや、ソービニオンブラン、あと樽香のある知らない品種のものを混ぜまくっているのでかなりエレガントなんだけど個性的で複雑な味となっている。「あっ飲みやすい・・」と言った感じではない事は確か。

ジャケットもエッチな感じでなかなかエキゾチック(死語?)感を増幅させる。

2015-03-12 19.45.56

最初の主菜は白身魚を揚げたもの。魚は10kgオーバーの大ヒラメ。この時期によく獲れる。3種のソースは柚、マーマレードか金柑?、蕎麦茶。和のテイスチャーがしっかりと組み込まれているて且つ盛りつけは斬新かつシンプル。

2015-03-12 20.00.24

お店はこの日も当然満席。テーブルが3つとカウンターのみなので予約は取り合いになる。

2015-03-12 20.01.42

「鰆とオレンジ」。しっかりと脂ののった鰆とオレンジのソースの相性が素晴しい。

2015-03-12 20.18.30

一見カンナ屑のような料理が登場。旬の桜鱒をさっと薫製にして冷凍にして薄く削る。それを紅しぐれ大根の甘酢漬けの上にかけたもの。ぐちゃぐちゃにスプーンで混ぜて一気に口に入れると鱒の凝縮された旨味が口一杯に広がる。この料理を考えるイマジネーション力とデザイン力に敬服。。

2015-03-12 20.19.30

3本目はピノネロの赤。昔はイタリアのピノはエレガントさにかけるとよく言われてたけど最近はほぼ遜色なし。かなり豊かな果実実とカシスの香りがしてしっかりとした酸味とタンニンも感じられかつ滑らかでコクのある、私見であるが鰯のオイル漬けとかに合うであろうワイン。

2015-03-12 20.36.08

「イイダコとと緑の野菜(多分メカブであろう)」のパスタ。タコはミンチになっている。ほうれん草と大葉も入っているであろう。

2015-03-12 20.55.29

メインは「銀鱈と新ジャガ」マッシュポテトと新ジャガの揚げたもの。濃厚なアメリケーヌソースは塩分の立ち方が半端ではない。シェフの修業先のイタリアの同名の店のスペシャリティらしい。脳幹に突き刺さるような塩使いのソースと脂ののった銀鱈とピノネロとのマリアージュはここ最近のベストデザインである。

2015-03-12 21.10.31

シャベーットのようなものと固形のクッキーのようなものとミルクのエスプーマーが入ったものをぐるぐるとかき回していただくとコーヒーになるイリュージョンのようなドルチェ。

2015-03-12 21.25.11

名物の「チョコとバナナ」。このドルチェの仕掛けも面白い。薄いチョコの中は滑らかなバナナアイス。前回と献立も変わっていて大満足。。

大阪市浪速区敷津東2-2-1-317 なんば木津まち横丁「○(エン)」内
TEL:06-4395-5150
営業時間:18:00~23:00
定休日:水曜日


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