2015年12月

スタンド又三郎 エピソード2 店主の覚醒

表記の店を訪問後オーナーの荒井世津子氏から以下連絡があり・・・

*明日22日にシェフの大森君、高見君、小野田君と私(一人、素人参加)で、「ステーキスタンド又三郎のランチ」のコンペをすることになりました。
現在はクリスマスディナーなどやること満載だけど「必要と思ったら、即やる!」時間やタイミングは待ってくれないし。それぞれが思う「ステーキスタンド又三郎のランチ」を作ってプレゼンします。

今は「ステーキスタンド」と銘打ちながらも・・・、料理も接客もチマチマとしていて気に入らない。素人の厚顔無恥で「チマチマ感」を打ち破るプレゼン考え中。
こんなことをし乍ら「ステーキスタンドをどんな店にして行こうか?」とみんなで考えられるようになればもっと楽しい・・・

とのことで午後からコンペ開始。

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最近ランチの時にだけヘルプに来る小野田さんの作品の前菜は蕪のスープと焼いたアボガドに生ハムをあしらったもの。寒い冬にはぴったりの商品。

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メインは蓋付きの小さな小鍋で供されるタンシチュー。喉のゼラチンのついた部位を煮込んでいてごりごりした歯触りも食べ応えがあって楽しい。「手早く提供出来るのがいいね」と評するオーナーの眼差しは厳しかった。

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この日のコンペの内容。。まずは絵コンテを起こして実際に試作。試行錯誤をしながら完成させてもさらにブラッシュアップをかけて商品をピカピカにする。

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「お客様の立場で考えなさい!!」「調理場ではなく客席から料理を見なさい!」とトムフォードの眼鏡をかけたスーツ姿のオーナーから叱咤の声が飛びまくる。

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それぞれが作った商品を「誰に対して」「どのような場合に」「どんな提供の仕方で」「お客にどう感じてもらうのか」などをプレゼンする。「このプレゼンすることが大切なの」とのオーナーのお言葉。。まさにその通りなり。

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荒井オーナー考案の熟成肉ハンバーグとタンシチューのアソートしたもの。目玉焼きは出来立てシズル感の演出効果と言っていた。

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高見君は前菜のみのトライ。パティシエらしくガレットを焼いて上にチーズと生ハムを合わせる。ガレットが日本人になじみがないのが難点かもしれない。

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本店シェフの大森氏の献立は前菜に生ハムとインゲン。これはいたって普通なり。

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ルクレーゼのココット鍋で供されるのは大きな塊で煮込まれたキャベツと熟成肉の入ったソーセージ。いわゆるポトフを鍋のグツグツ感を活かして提供しようと言う考え。

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見た目はこんな感じ。特にどおってことはない・・

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豪州産ステーキをマリネしてフライパンで焼き上げたステーキ。特製ソースで食す。個人的にはこういった赤身肉をモリモリとバシバシと食したいと思う。ソースや薬味で変化をつけることが出来れば食べ飽きないかなと思う。しかし界隈でこういった外国産のボリューミーなステーキは掃いて捨てるほどあるのでこちらのお店がどうやって上質感を提供出来るかがポイント。。

「作る立場から食べる立場に」私どものお店でもしょっちゅうスタッフに申し上げているが実行して形にすることは至難の技である・・・超一流の又三郎さんでもここまで取りくんでおられることに頭が下がるとともに自社でも日々を新たに商品を磨き上げなければならぬと再確認させていただく素晴しい機会であった。


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スタンド又三郎 12月

先週の日曜日の練習会のあと長居にある表記の店でラン友とランチをいただく。すぐ近くにある食べログ大阪ナンバーワンのタイトルホルダーである本店の「又三郎」は熟成肉のパイオニア的なお店で土日は半年先でなければ予約が取れない状態が続く。外国人富裕層の利用率も高く毎日4組くらいは外国人の客が来ると言っておられた。こちらのスタンド店はカウンタ−席があるのでひとりや少人数でおいしい肉をさくっといただきたいときにぴったりなので個人的にヘビーユースする店の一つ。

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ピカピカに光るショーケースには熟成された精肉や手作りされたお菓子などが並んでおりテイクアウトの客に大好評と言っておられた。外観も内装デザインもニューヨークのカフェのようなたたずまいで店主の荒井世津子氏の美意識の高さと審美眼にいつも敬服する。

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お店はカウンターとテーブル席で10席余のこじんまりした感じ。店の半分以上をオープンキッチンが占めるのがとても贅沢。お店の入り口には「ステーキスタンド又三郎は、大人が寛ぐ空間にしたいと思っております。誠に勝手ですが、小さなお子様を連れてのご飲食は又三郎本店をご利用くださいますようお願い申し上げます」という看板がかかる大人な店。

エントランス横にある巨大な熟成庫には大きな肉の塊が部位別にドライエイジングされている。界隈の熟成肉を看板に出している焼肉店では真空包装されたものを冷蔵に保存しウエットエイジングと称して営業されている店を良く見るがこちらの店と同じように扱われてしまうのはあまりにもかわいそうである。しかし客は心得たものでその辺りはきちんと理解した上で来店し本物を味わうために高額の対価を支払う。

この日は熟成肉が一部入ったハンバーグ(180グラム)のランチセット2800円と和牛サイコロステーキランチ2000円を所望する。どちらもランチの価格としては破格である。

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前菜盛り合わせ(写真は2人前)は生ハムとマスカット、カプレーゼ、自家製コンビーフ、熟成肉を使ったソーセージ、キノコのマリネなど。どれもこちらのお店のポリシーを感じるしっかりしたものばかり。

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白菜のスープはとても優しいお味。カラトリーはお約束のラギオール。お店は本店でパティシエも兼ねる高見シェフが切り盛りする。

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じゃがいものグラタンはグルニエールのチーズが入る。寒い季節にぴったり。こういった普通のものがとても美味しい。

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パンパンに膨れた美しいビジュアルのハンバーグは和牛ミンチの中に熟成肉の塊がゴロゴロ入って噛み締めると茶豆のような熟成香が口の中いっぱいに広がる。牛肉だけのハンバーグだけど思ったよりもあっさりした食感となっている。肉の滋味がしっかりと感じられてソースや薬味は不要なハイバランスで上質な仕上がりとなっている。

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サイコロステーキは黒毛和牛の様々な部位をアソートしたもの。界隈にある外国産や端肉ではないところがこちらのお店の矜持を感じるところである。和牛独特の甘い脂が噛み締めると口一杯に広がる。あまり多いポーションではないのに半分くらい食べるとお腹がいっぱいになってしまった。

サラダもドレッシングをきちんとトスして仕上げる。全く手抜きがないために提供時間がかかるのは玉にきずであるがそれは美味しいものを食す場合にはしょうがないことと理解すべし。食べログ評価では高得点のこちらの支店なんだけどオーナーは更なる進化を目指すと断言。この志が超繁盛店の秘訣なり・・・・

大阪市住吉区長居2-9-14
電話番号 06-7506-7826
月曜、木曜定休


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赤のれんすし

クリスマスシーズン真っ最中の雑踏の中で新梅田食道街にある表記の店を訪問する。
カウンタ−7席のみの小さなお店なんだけどチャーミングな女将さんが一人で切り盛りする。
チープでざわざわした食堂街のなかで50年近く続く老舗店。昔ご主人が握ってらっしゃった頃に立ち寄った記憶がある。息子さんが手伝っていた時期もあったかと思う。女将さんのおじいさんが始められたと以前に聞いた覚えがある。

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最初に生ビールをいただいてガラスケースにあった蛸をアテで所望する。こちらのお店で生を湯がいていると言っていた。足の先っぽの方をリクエストすると笑いながら「私も同じ部位が好きなのよ」との返答。店は奥行があまり無い面長の形で座っている人の後ろを通ることが出来ないためにガラス戸を見ながら空席のある場所からスライドさせて入るようになっている。

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白子のポン酢は鮮度が良くてかなり美味しい。今シーズンナンバーワンの味わいのもの。麦焼酎の水割りに切り替えて楽しくいただく。黒門市場での仕入れらしい。店が狭いために隣の客とすぐに打ち解ける。女将さんの包丁を持つ姿をアテにお酒がどんどんすすむ。

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剣先烏賊の耳があったので炙っていただく。新鮮なのでとても美味しい。上等ではないがとても上質なアテである。赤のれんという店名だが暖簾は白色だった・・・平日は15時からやっているので昼酒や夕刻から一杯飲むのにはいい店である。(日曜日は13時から)

この辺りで自称34歳の女性の一人客が入ってきて先ほどまで訪問されていたすっぽん料理店でもらった土産のすっぽんスープを私どもに振る舞われたので遠慮なくいただく。この辺りが大阪的で楽しい。。女将さんの話も面白くてかなりいい味がある。北新地の54歳ママらしき女性と長年連れ添う半袖イケメン彼氏51歳の痴話喧嘩も酒が美味しくなる。

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たいらぎ貝柱はかなり大きい。軽く炙っていただくが火が入り過ぎ・・・しかしこれも想定内なので気にならない。シャリはかなり柔らかく握られる。ほぐれまくって食べるのに一苦労だがお愛嬌である。

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ゲソは脚の太い部分と胴の部分を握り分け。こうした小さな気遣いが嬉しい。ガリも自分で新生姜を漬け込んだものを客前で切り分ける。甘味がなく口が過度にサッパリする。。

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赤貝も注文があってから殻を割る。半丁付けだがかなり大きい。赤貝独特の香りもよくかなり上質なものであることがわかる。

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さっと炙られて供される煮穴子もかなりクオリティーが高い。こればっかり10個くらい食べたいと思うレベルのものである。東京からの客や外国人も多く来店されるらしい。さくっと飲んで食べてひとり5000円くらいの会計でした。

大阪市北区角田町9-26 新梅田食道街1F
06-6313-4466
営業時間 平日14時~23時、土日13時~23時
定休日 月曜日


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