又三郎1月

月末に大阪ハーフマラソンに出たランニングチームの友人の慰労会を表記の食べログ大阪焼肉部門ナンバーワンに長年君臨する表記のお店で行なう。コースを何度も試走してしっかりとコンディションを整えて,炭水化物を沢山摂取して、綿密にいろいろな計画や対策をして準備万端で望んでも結果が伴わないのがマラソンであることを私は身を以て知っている。しかしながらそこにマラソンの醍醐味があるのも確かである。ハーフマラソン応援後に大阪国際女子マラソンのゴールを長居競技場で見る。福士さんのウイナーならではの輝きは、マラソンの辛さや悲しさを知っている私の目にかなりまぶしく映る。

今回はこちらのお店のオーナーの荒井世津子氏(通称せっちゃん)の特別な計らいで大阪ハーフマラソンスペシャル熟成肉コースを大森シェフに仕立てていただく。

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開店時間とともに訪問したらミーティング中。オーナーの気合いはいりまくりの叱咤に店内の室温は−3℃を記録する。

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いつものようにエントランス横の熟成冷蔵庫には山のようないろいろな部位の枝肉が熟成され食べ時を迎えるまで静かに寝かされる。

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熟成肉焼肉のパイオニアである荒井世津子氏は魔法のレストランで特集を組まれたり各種メディアや雑誌などに出まくり状態の超有名人。現在は睡眠時間もままならないと聞き及ぶ。ガイヤの夜明け出演のオファーもあるが断り続けているらしい。しかしながらミーティングでの鬼の形相とはうってかわり、お客様の前では当位即妙な受け答えと後頭部にある第2の目を使った気配りは比類なきおもてなし感を醸成する。

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今回のハーフマラソンでは参加者全員が自己ベスト更新。お祝いの乾杯はルイロデレール。朝からずっと応援してたので喉もからから状態。仲間のランナーが両足の痙攣のため目の前で転倒。競技中の倒れた人を助けたり触ったりしたら失格になると言うのも真剣勝負ならでは。マラソンの残酷さを目の当たりにする。フラフラでゴールする友人と福士選手の万感の笑みを浮かべたゴールとの対比がまぶたに焼き付く。

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福士さんのインタビューもサービス精神満点で青森弁を使いながら喜びをぶっちゃける姿に心を掴まれた。・・・とか言うような話をしながら皆でお酒を楽しむ。

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いつものようにオーナーからこの日に焼かれるお肉のプレゼンテーション。手前の脂が真っ黄色の肉は経産牛のモモ肉部分。長年の苦労が脂に出るのねと納得。それをフライパンで揚げ焼きにしていただくのと山形産の和牛の「クリ」と呼ばれる前足部分の炭火焼を食べ比べする趣向。

この日も一番いいコンディションの肉を選んでいただきそれを一番美味しくいただけることをいつも真剣に考えられる。食材も和牛価格が高騰し、いい肉が手に入りにくいなかでも常に理想を追い続け熟成に向く肉を一頭買いされる。

誰にも媚びず自らの審美眼とセンスを常に磨きフレンチやイタリアン、中華、和食の有名店をいつも観察し進化し続ける荒井オーナーの姿勢にはいつも感服する。

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肉を焼いている間に前菜が登場。パルマ産 生ハムは高級苺と一緒にいただく。シャンパーニュとの相性はバッチリ。自家製コンビーフと熟成肉と豚肉を使ったソーセージ。ペコリーノとパプリカのジャムなど。牛を一頭買いしているのでステーキや焼肉で使用しない部位は前菜やスープに使用される。どれもが手がかかっているので頭一つ抜きん出た美味しさ。

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2つ目の前菜はサーモンマリネの入ったシーザーサラダ。ケールと芽キャベツの間の子みたいなプチヴェールの食感がとてもいい。辛口の濃い目のムルソーと一緒にいただく。パルミジャーノもかなり上質。

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フライパンで揚げ焼きにした経産牛がカットされて登場。この辺りのワクワクするプレゼンテーションも素晴しい。

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付け合わせは焼きリンゴに胡桃とサワークリームを乗せたもの。これも目の前で切り分けてサーブされる。テーブルの周りに甘い香りが立ちこめる。特別感満載でかなり嬉しい。

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大振りにカットされた肉はナイフを使わずに齧り付く。ガシガシとした肉質なんだけど噛めば噛むほど味がある。焼きリンゴの甘酸っぱさが口をさっぱりさせてくれる。赤身肉なのでいくら食べても食べ飽きない。

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肉に合わせるワインはいつもいただくカリフォルニアのオーボンクリマ<Au Bon Climat>複雑で豊かなピノノワール。果実の酸味とタンニンも程よく効いて熟成肉ステーキにぴったり。花やフルーツ、樽の香りの余韻もあってとても上品でエレガントな印象。ジャケットもとてもかわいい。

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続いて和牛クリ部分をオーナー自ら焼いていただく。こちらのお店の代名詞となっている熟成肉を一番美味しく食べてもらうために長居年月をかけて編み出したアルミホイルで包みながら強火で3回に分けて肉にストレスを与えないで余熱で火入れする方法はオーナーの人柄同様で肉に対しての慈愛に満ちあふれている。焼きながら場を盛り上げる技術は吉本の芸人も勉強になると言うほどのレヴェルである。

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ブロッコリーのスパイス焼きとともに厚切りで切り出されて登場。最初の第一印象が絶対的なのでどこも真似の出来ないインパクトのある一皿となる

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再度サーブされて登場。大きくナイフでカットして頬張ると茶豆のような熟成香とともにアミノ酸が凝縮したほとばしる肉汁と肉の旨みにいつもながらノックダウン状態になる。

こちらの部位は食感がしっかりなんだけど口当たりが優しくて柔らかな脂分を感じる。これはソースではなく生の黒胡椒と塩でいただく。2種類の肉と焼き方の異なりを比較対象し脂の量や口溶け感、熟成香の濃淡、味の違いを楽しむのはかなり贅沢でこちらのお店でしか出来ないと思う。

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デセールのプリンはパティシエのスペシャリティ。

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デザートはオーナがいつもこだわりまくっていて常に進化しまくりチエ子状態。

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普通の焼肉もあるけどこの店では熟成肉を食べまくることをお勧めしたい。熟成肉ブームで同じようなものがあるけどこちらは唯一無二の本物と断言出来る。予約を取るのは至難の技だけど平日の早い時間なら比較的予約しやすいと言っておられました。

大阪市住吉区長居2-13-13長居パークホテル1F
TEL 06-6693-8534
予約必須
11:30〜14:00
17:30〜23:00」


カテゴリー 長居, 焼肉 |