2016年09月

桜富士山 9月

昨日の夜は表記にお店を訪問。次週に貸し切りで食事会をする打ち合わせ。食事の内容だけでなくお店の設えや店主の料理に対する考え方に強く共感し最近最もヘビーユースしているお店。

王道のブラックペッパルチキンを初めて食したときにはその美味しさに声も出なかった記憶がある。地元の人以外は通らないような路地裏かつ店舗と判らないようなファザードなんだけど一度この店を訪れた人は必ず虜になっている。まさにスパイス中毒患者続発のお店である。

この日は定番の桜富士山ミールス1500円を所望する。ミールスというのは南インド式の昼の定食のこと。夜の定食はミールストは言わないらしい。現地ではバナナの葉を使用することもあると聞き及ぶ。北インドではターリーと呼ばれる。

2016-09-01 12.08.15

カレーは肉と魚のどちらかを選ぶことが出来る。この日は肉はブラックペッパルチキンか秋刀魚のカレーからチョイス。

内容はインディカ米とブラックペッパルチキンカレー、サンバルという野菜の入った清し汁仕立てのスープ、ラッサムというトマトの辛みと酸味のあるサラサラのスープ状のカレー、野菜や果物の酢漬けのアチャール2種、豆の粉を煎餅状に焼いたパパド、ミニドリンクのセット。

北インドと南インドのカレーは全く別のものということ食事をしながら店主のタマちゃんと語り合う。最近よく見かけるスリランカやパキスタンのカレーも全く別もの。

北インドは小麦文化なので大概ナンとかチャパティーがつくことが多くそれらが絡みやすいようにカレー自身も粘度のあるものが多い。インド料理店でよく見かけるサモサとかティッカも北インドだけのものらしい。

南インドはラッサム(酸味のあるスープ状のカレー)とサンバル(野菜の入った清し汁仕立てスープ)、アチャールが定番の取り合わせでカレーも米に掛けたときになじみのいいさらさらタイプでスパイスの感じ方がシャープでストレートなものが多い。油もあまり使わないのであっさりと身体に優しい印象がある。

本来はカレーやアチャールなどが入っている小皿を外に出してご飯を皿一杯に広げてパパドを砕いてご飯の上に掛けてラッサムやサンバル、カレーをドカンと掛けてアチャールも混ぜまくって食べるのが本場流と聞き及ぶ。最後にヨーグルトを混ぜて食べるのも南インド流と聞いたことがある。

看板商品のブラックペッパルはペッパーだけではないパンチの効いた様々なスパイスが脳を刺激し、鶏や野菜の甘みや旨みが口一杯に広がる。いろいろなものを混ぜていただくと味の層が幾重にも広がり、それが味蕾を刺激して高電圧を発生させその信号がシナプスを通じて大脳に伝わる。こうやって周りの客がこちらのカレーの中毒になる。

スパイスは熱で香りが消えたり味が変わったりすることが多いのであまり長時間加熱しないと言っておられた。そういえばコリアンダーシードもフライパンで煎り立ては何とも言えない香りが立つのを経験したことがある。

サンバルにはカレーリーフが浮かび,カレーには甘く濃厚な香りの元のクロブも発見。カレーって見た目はシンプルだけど奥が深くて作り方で味が変わるのが本当に楽しい。。

一人でさっと食べたいときにも重宝するし、身体がスパイスを求めるとき、お酒と一緒に楽しめるカレーもあれば楽しいと思うし、最近ブームの魚介の出汁が入っていたり味噌や醤油の入っているのも口に馴染む。来週宜しくね・・といって店を出る。

過去の桜富士山はこちら

大阪市住吉区住吉2-11-6
電話: 06-7181-1467


カテゴリー 住吉大社, カレーライス |

又三郎 9月

あまから手帳9月号の表紙にもなっている現在大阪で最も予約困難な店の一つとなっている表記の店を高校のときの同級生と3人で訪問。

熟成肉のパイオニアである此方の店は昨今の熟成肉ブームを牽引し業界の王道をまっしぐら。長居の中村あずさこと店主の荒井世津子氏は自叙伝を出したりテレビをはじめとする様々なメディアで紹介される有名人でその容姿の端麗さのみならずウイットにとんだ接客は多くの常連客を虜にする。見た目はおっとりして柔らかい印象だが従業員を指導するときは鬼の形相となる。ペッパー君を受付に置いたり(今は自宅で休ませているらしい)季節ごとに料理教室やBBQなどのイベントを開催したり常に前だけを見て行動する姿は神々しさをも感じる。

2015-09-03 13.50.40

また、彼女は土佐赤牛を世に知らしめた人物としても有名。休みの日はジャンルを問わず世の中が美味しいと認める店を研究視察をされる。最近はワインを徹底研究していると聞き及ぶ。

またアメリカやドイツなどの海外視察も多く、9月はバスク料理を研究するためにスペインまで行くと言っておられた。

2016-08-30 19.07.40

最初にこの日に提供される肉のプレゼンテーション。この日は山県産の黒毛和牛の2ヶ月熟成の赤身部分とこちらのお店の看板商品である高知産の土佐赤牛の80日熟成のサーロイン部分。迫力満点でどのテーブル席からも写真を撮っている音が聞こえる。

2016-08-30 19.19.54

この日は店主自ら担当いただく。彼女は肉を焼き続けて4半世紀を超える大ベテラン。こまめに肉の塊を移動させながらまんべんなく火入れする姿を見ると25年前に南住吉のこちらのお店に移転する前の小さな焼肉店で必死のパッチでおいしい肉を更に美味しくしてお客さんに提供しようと頑張っておられた頃を思い出してしまう。

今や土日はほとんど入店できない大繁盛店としてインバウンドを始め、県外など遠方からのお客でいつもにぎわうウルトラ繁盛店。彼女が此方の店でしか味わえない味を探し続けた結果であろう。しかしながら店主は更にその先の山を目指して自身の理想を常に追求し続ける。

2016-08-30 19.24.14

前菜は熟成肉入りのソーセージと皮の部分がパリパリの脂が甘々の豚バラ肉料理、ローメインレタスとミライコーンのサラダ。こちらのお店はワインもボトル2800円くらいの手頃なものからムートンロートシルトまでいろいろな味わいのものが広く用意されている。この日はお薦めのロッカデモンテグロッシキャンティークラシコ13000円を所望する。しっかりとしたボディでタンニンは優しくてバランス良く滑らか。

2016-08-30 19.46.51

ゼラチン状のコンソメスープには茶豆が入る。熟成肉とよく似た香りで比較すると面白い。この間にも肉にダメージを与えないように眠っている肉を起こさないように炭火の力を借りて優しく優しく火を入れる。何回かに分けて焼いてはアルミで包んで肉を休ませてその間に余熱でじんわりと火を入れる。そうすることでで、肉本来の柔らかさも肉汁も保たれる。やっぱ肉を美味しくするのも、 不味くするのも、焼きの技術にかかってくるなと改めて感じた。

2016-08-30 20.04.33

調理場でカットされて盛りつけられて登場した肉はビジュアルがとても美しい。80日熟成の土佐あかうしは独特の深い旨みと香りを纏っている。口に含むとミルキーでナッツのような香ばしさ。タンパク質が分解されてうまみ成分が凝縮した深い味わい。炭の香ばしさもいいスパイスとなる。ホースラディッシュ(西洋わさび)とフランスの塩と生胡椒でいただく。

常に時代の先を読む荒井世津子オーナーのファンはとても多く業界の成功者となった自信がオーラとなり彼女をいっそう輝かせている。

この本店のすぐ近くに気楽に熟成肉を食すことが出来るスタンド又三郎も2年前に開店。こちらは本店よりも比較的入店しやすいと思う。詳しくはお店のHPにて。

店主の荒井世津子の半世紀を綴った「又三郎ー熟成肉と荒井世津子」

又三郎のHPはこちら
大阪市住吉区長居2-13-13
営業時間:11:30~14:00
17:30~23:00
定休日:木曜日

2016-08-31 16.05.35

ワインリストを自分の財布と勘違いして鞄に入れて持ち帰ってしまう。翌日に近鉄百貨店でパンを買って財布を鞄から出したつもりがワインリストだったのでそこで初めて気づく。パン屋のお姉さんこれにバカ受けでツボにはまったのかヒーヒー言って笑い転げてましたとさ。。

カテゴリー 長居, 焼肉 |