懐石料理徳 住之江本店1月下旬

住之江区の私どもの和食料理店のお店で仕事つながりの会合があり食事を末席で相伴させていただく。この日はお店にあるすべてのお酒込みで10000円の予算。こういった形での申込みはよくある事。

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先付けは芋そばのトロロ掛け。海老芋をかつら剥きにして刻んで湯がいて蕎麦に見立てる昔ながらの仕事。下には生湯葉が敷かれている。白髪葱と山葵とイクラを天盛りにして蕎麦汁でいただく。黙って食して海老芋と判る方はほとんどいないであろう。

お造りは平目、縞鯵、細魚。平目はいい脂が乗っていた。生雲丹を火入れして卵の黄身と合わせてつくる雲丹豆腐が絶品。

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椀盛はとらふぐの身と皮。あしらえは筍と菜種と鴬菜と平茸。しっかりと炙った河豚ヒレも入って濃いめの香ばしい日本酒に合うお椀。

八寸は柔らかく処理された「茶ぶりなまこ」、酒粕で漬け込んだ「いくらのべっ甲漬け」、「子持ち鮎甘露煮」、「袱紗玉子焼き」、卵白と合わせて中に柚味噌を鋳込んだ「百合根饅頭」、慈姑を裏ごしして麩と合わせて作る「慈姑コロッケ」、烏賊をすり身にして木耳を合わせて揚げた「オランダ揚げ」、生の銀杏を米といっしょに炊く事で柔らかく仕上げる「餅銀杏松葉刺し」、脂ののった和歌山産の鯖のお腹部分を使った「鯖の松前寿司」などどれも手のかかった昔ながらの仕事。

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真魚鰹の味噌漬けは漬かり具合も火入れも完璧。あしらえは柔らかく炊き込んだ海老芋の雲丹焼きと大根の焼酎漬け。河内長野の西條酒造の「天野酒」を中心にしたラインアップ。

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名物の但馬牛のローストビーフ。今回は淡路島の戎もち豚をローストポークにしたものとの食べ比べ。どちらも甘い脂が特徴。あしらえは長芋羹、ビーツ、たらの芽など。薬味は裏ごしにした豆腐をベースにチューニャンという中国調味料に松の実、カシューナッツ、ピーナッツを刻んでいれてあわせた「木の実ソース」と胡麻、あんぽ柿、白味噌をベースに擂り下ろした柚子で風味を付ける自家製柚味噌の2種。

赤貝の酢の物。干し柿を大根で巻いたものと若布羹、防風、袱紗胡瓜。土佐酢と黄身酢で

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食事は名物の鯛御飯と白味噌汁。甘味は牛蒡で作ったプリンとリンゴの赤ワイン煮と苺にオレンジ。価格とのバランスは問題ないけど改善点はたくさん見つける事が出来ました。

1年間で最も忙しいこの時期、人手も不足する中できちんとした引き継ぎもせぬまま退職する若手社員に対しての送別会がこの日ひらかれた。数年間頑張ってくれた事に対して仲間が慰労する事を否定するわけではないが心のもやもやがどうしても残る。それをどう考えて自分の中で収まりをつけるのかが悩ましい。

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