西天満 中村 10月

昨年11月末に西天満にオープンした表記のお店にアメリカ人の友人と訪問。国道2号線のCoCo壱番屋を南に下った路地の奥に位置する。ちょうど大阪地方裁判所の裏手あたり。

小柄な女性店主の中村明美さんが営む小さな看板と趣味のいい暖簾が目印の隠れ家のようなカウンタ−8席のみのお店。店内は数寄屋造りで聚落の壁と網代の天井、カウンタ−正面の錫のアートなどかなり趣味性が高い。

ジャズのBGMも心地よくとてもいい空気感を醸し出している。料理は税別11000円のお任せのみ。店主以外に若い男女の料理人さんが2名。店主は天王寺の「和光庵」大阪南の「懐石 本多」や北新地の「まつもと」他名高い和食店で修行をされたと聞き及ぶ。

料理の扉はカマスの錦秋和え。焼き揉まれたカマスの下に青菜、もやし、人参などの5色野菜。その上にとんぶりが添えられたもの。梅肉が忍ばされていて、かそけき酸味がとてもいい。

刺身はかなり上質の天然鯛。脂がしっかり乗ったもので美味しさにビックリ。山葵と酢橘塩で頂く。赤身が苦手な私の為にツブ貝を用意して頂く。甘くて磯の香も上質な佳品。店主チョイスの日本酒と一緒に合わせて楽しむ。

金目鯛と蕪のお椀。出汁は実直で大阪らしい鰹節がしっかり効いたもの。しっとりとした脂が特徴の金目鯛のおいしさはいわずもがな。

八寸は左から四角い鉢に入った蛤の霙和え、本物の海老を叩いて作った海老煎餅、栗の渋皮煮を揚げたもの、揚げ銀杏、四方竹の甘煮、マッシュルームのチーズ寄せ、子持ち鮎の甘露煮、鯛の塩麹和え、衣被ぎの上に雲丹香煎、兎を模して黄身餡を鋳込んだ百合根饅頭。

どれも繊細で手のかかったものばかり。女性店主のセンスの良さと料理の実力発揮の取り合わせである。

炭火で丁寧に焼き込まれたマナガツオの味噌幽庵焼きと梨の桂花陳酒漬け。マナガツオのおいしさもさながら焼きの技術が完璧なのにビックリ。

鳥取の次郎さんという方が仕留める若桜の鹿のロース肉は全く癖もなくフィレ肉のように柔らかい、上には牛蒡のソースがかかる。添えには二子芋の唐揚げに大徳寺納豆を粉末にしたものがかかる。

食事は栗ごはん。占地や鮑茸が脇を飾る。この取り合わせが不味いわけがない。残ったご飯はおにぎりにして手みやげにしてくれた。

デセールは柿、さつま芋のブランマンジェ、黒いちじく、洋梨、バニラシャーベットの盛り合わせ。品もよく全体のバランスもとれていてとてもいいコース料理です。今回もとても美味しく頂きました。

この日は朝から加太まで鯛釣りに出かける。強風の為に釣価は小さな小鯛1匹と外道の鱧のみ。この店の鯛のお造りをみると恨めしさがさらに募りました・・・・・しかしながら次の日優しい当社板前君が美味しそうに焼き上げてくれたのでかなり嬉しかった。。。

過去の中村はこちら

北区西天満4-5-25
06-7506-8218
17:00~22:00
日祝休み

 


カテゴリー 西天満, 和食 |