鳥よし鍋

私が子供のころからあったミナミの名店。 私が調理師をしていた頃このお店の料理長が前菜造りの名人で いっぱい著書を出しておられた。料理が上手なのはもちろんだが前菜はそのお店の 会席コースで一番最初に出てくるものなので料理の印象がそれで決まってしまう。 言い換えれば会席のコースの看板みたいなものなのでそこに精神を集中して 手間を精いっぱいかけて作らなければならない・・・というようなことをおっしゃっていたことを 思い出す。その当時でもかなりご高齢で私が見たこともないような技術を持っておられ なんとも細かな手仕事をされていたという記憶がある。 そんな古い時代にもこの鳥よし鍋があり多くの千切りにされた野菜と細かく切られた 豚肉と鶏肉を灰汁の出ないコクのある出汁で煮込みコショウをかけていただくという趣向。 旨い不味いを超越した年期を感じる料理でしかもヘルシーさも満点で財布にも優しい 非の打ちどころのない素晴らしい名品である。 toriyosinabe.JPG 仲居さんが丁寧に作ってくれるし最後のうどんもあっさりしているのでぺろっといってしまう。 安くてボリュームがあって美味しくて大阪の和食店の見本のような店。 ディスイズ大阪和食レストラン!見習いたいものである。

鳥よし茶屋 (鍋(その他) / 東梅田駅北新地駅大江橋駅


カテゴリー 梅田/JR大阪, 和食 |

全聚徳

社員旅行でいざ北京に。 この景気の悪い時に豪勢だなと周りからよく言われるが、GW明けのお安いお得なツアーを利用しての正社員45名の研修旅行。個人的に北京ダック大好きで前から行きたかった北京ダックで超有名な全聚徳へ。銀座や上海でも展開し北京ダックでは世界で一番有名な老舗らしい。。そして驚くことにこの店は1864年創業で明治維新前夜に勝海舟が江戸城明け渡しをしている頃から中国ではアヒルを焼いていたということにびっくり。 各ある店舗の中で案内されたこの支店はコストパフォーマンスもさながら個室も美しく担当係のサービスも十分で申し分ないものでした。前菜は「YAN水鴨肝 (アヒルの肝臓の前菜) 」と言われるもの。全くフォアグラをいただいているような感じで塩加減もちょうどよくビールがどんどん進む。体に悪い食べもんやなーと言いながら完食。 foagurapekin.JPG 続いては鴨骨湯(ダックスープ)登場。 ダックを骨ごと鍋に入れ、半日ほど煮込んだスープで骨の成分 が完全に溶けだしているらしく体にかなり良さそう。白濁していて博多でいただいた水炊きのスープ状態。かなり体によさそう。味付けは塩だけでかなりさっぱりしている。 続いては麻辣鴨膀SI (アヒル肉のピリ辛和え物)は甘くて辛いしかもさっぱりしたタレでお肉を炒めている。。心配していたが日本人の口に合うよう調整されている感じがした。これは旨い! butaketyapu.JPG 火燎鴨心 (ダックの心臓をマオタイ酒につけて焼いたもの)も全く癖がなく、旨み満タン。。ねぎとの相性はやっぱりいいねと再認識。。 kamonaidou.JPG 豆腐を炒めた物も加減が柔らかくたぶん豆腐は下処理でゆがいているのだろうか舌触りも良く同伴者全員美味しいねえとの声。。 toufupekin.JPG 青梗菜の炒めもシャンタンの加減もよくシャキシャキのコクうまって感じで普通にうまかった。 tingenpekin.JPG あと炒めものやらなんやら数品出てきて結構お腹いっぱいだねと言っていたら調理人登場。いい色に焼きあげた北京ダックを携えておもむろに切り分け始める。 日本だと北京ダックといえば、うやうやしく、1枚だけ食べるというイメージがあるが、この店では山盛りの「ダッグ肉」を、鼻から出るくらいいくらでも包んで食べれる。 もうしばらくは北京ダックいらんでというくらいいただく。 pekindaku.JPG 焼き上げられた北京ダックは普通、100枚前後に切るらしい。北京ダックは、その切った形から、大きく分けて「杏葉型」と「柳葉型」と呼ばれる二つの切り方があり、現在では「杏葉型」が主流と言っていた。切り分けるのもルールがあって風味を損ねないよう1羽8分以内に~枚の肉を切り取るといった約束が確立しているらしい。こういう老舗は美味しく食べてもらうマニュアルが確立しているということに感心する。 pekin2.JPG 調理場も見せてもらったがたくさんのダックが焼きまくられていた。一つの釜で20匹焼くらしい。そんな釜が7つあるらしい。薪はナツメの木(紅棗)のみ使用している。煙が少なく、甘く焼けるのが特長らしい。 こだわりがきっちりあってこれが140年の歴史を支えていると納得。アヒルのオスは細身で長細く、メスは丸っこいと言っていた。この店は脂がのっているメスと、痩せ型のオスを選ぶことはできるらしい。脂肪分が好きな一にはメスがお勧めといっていた。この店だけでも従業員約300名 (コックは約110名)で仕入れるアヒル 約2000羽/1日 (全聚徳グループ全体では約1万羽)と言っていた。餃子の王将もびっくり。それを聞いて一言「おらあ、ぶったまげただあ・・・」と唸ってしまった。 dakku.JPG コックは、「ダックを切る」までが領分らしく、ウェートレスさんが、薄いクレープみたいな皮を1枚取り、、ねぎとミソを添えて、手際よく折りたたみ手渡ししてくれる。それを何回も繰り返す。皮だけだと結構脂っこいのだがこの店は肉も一緒にそぎ切って包むので結構お腹がいっぱいになってしまう。ウエートレスは1個ずつ「見本」をつくり、「わかったか?あとは、自分でやるねんで!」という空気を出しながら立ち去ろうとしたがリクエストして最後まで巻きまくってもらった。。中国人のサービスも悪くなかった・・・。 中国人はダックを食べる時に薄皮の閉じ口を下にしてかじり、余分な油をお皿に落としつつ食べるらしい。行儀の悪い食べ方と思ったがたくさん食べると油にやられて食べられなくなるのでこんな食べ方するらしい。 dakku3.JPG 帰国して私どもの総料理長が豚の角煮の盛り込みで万里の長城を模したものを作っていたのには驚いた。どうや、日本の調理師も負けてへんぞ! 北京「王府井全聚徳」


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明治軒

心斎橋のオムライスで有名な洋食店の明治軒 堀江にも同じ名前のお店があるが同一の経営ではないらしい。 創業昭和元年ということらしいので80年くらい継続しているということ・・ 飲食店でまたオムライスで80年は凄すぎと思いながら注文する meijikenmise.JPG オムライスは昔懐かし洋食店の味 具は入っていないがペースト状に練りこまれご飯と一緒に炒められているらしい。 むちゃ旨いということもないが旨い不味いを超えた老舗の貫録がオムライスに感じられる。 薄い牛モモ肉を揚げた串カツはチープな味だけど下処理がいいために超柔らかと1本100円の値段がうれしい。あっつあっつのサックサクでラードの香ばしさもビールにぴったり。。。これぞ大阪の味。。。 meijikennomuraisu.JPG 若い頃この近くでバイトしててこの銀串を単品で食べるのが夢だった時期があったことを 思い出しながら注文。。豚ヘレらしいが見た目がゴージャスで御馳走感いっぱい。 meijiginngusi.JPG 鶏のから揚げを頼むと手羽先にポテトチップスが添えられていて なんかようわからん品揃え。。でもそれはそれでいい。。明治軒だから。。 注文してから出てくるスピードが恐ろしく速い。。このオペレーションは驚異的。 スープも300円。冷たいポタージュは400円。。 セット(オムライスと揚げものが一緒の皿)でいただくのがこの店の定番なのだが・・ きょうは通天閣から飛び降りた気分でアラカルトで注文しまくらちえこ。 46歳で初めて会計を気にせず明治軒の単品メニューを注文・・今日やっと大人になった気がした(笑)

明治軒洋食 / 心斎橋駅長堀橋駅四ツ橋駅


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