鮨ふみ

福島の表記の寿司店を訪問。界隈は有名店が立ち並ぶ激戦区。駅から北西に3分ほど歩いたところに位置する。檜のL字型のカウンターは10席で大人な雰囲気。開店して8年目とのこと。

寿司のコースメニューは13800円と17800円の2種類。今回は13800円のコースを所望する。双方ともに最初にあてが出て後から寿司になるスタイル。

最初の刺身は芽ねぎを巻いたクエの刺身、皮目を焼き込んだ鰆(鰹の代わり)、鯖の3種。

酒肴はかなり多彩。北陸の糸水雲は食感がとてもいい。タコの柔らか煮、相生産の牡蠣は新鮮でよく肥えたもの。子持ち昆布を卵黄醤油で和えたものは初めていただいてこの日一番のお気に入り。

銀鱈の西京焼きも日本酒にぴったりの塩味。ポン酢をかけた茶碗蒸しは白子がたっぷり入る。

握りの扉は塩昆布を乗せたほうぼうから。続いて鰤のお腹部分。マグロ漬けの代わりにいくら軍艦、小肌1枚づけと続く。

ご主人の握るスタイルは伝統的な本手返し。右斜を向いて肘を上げて握られているのと途中で桶を叩いて捨てシャリをする所作で今は無き日本橋の江戸前寿司の名店「福喜鮨」のご出身かと聞くとその通りだった。コンラッドホテル大阪のビルの鮨美寿志の井上氏も福喜鮨のご出身でかなり美しい所作で寿司を握られていた記憶がある。

剣先いかは塩で供される。独特のフォルムの車海老は温かくてかなり美味しい。ふわふわの皮目を上にした穴子、干瓢巻き、福喜鮨と全く同様の玉子でフィニッシュ。

価格を考えると大満足。。お酒もたくさんいただきいい時間を過ごすことができました。

帰りに立ち寄ったバーのご主人はジンリッキーマニアで個性のあるジンをブレンドして供される。思いの外に飲みすぎてしまう。

この日のご主人の握りの所作が美しくずっと見惚れていた。

最近の大阪の高級寿司店の握りで手を返した後で最後に寿司を右手で握り込む下品なスタイルの方が多いことに閉口する。私は右手で握り込むこの所作を「よこはまたそがれ」という隠語で呼ぶ。理由は上記の写真を参照。

大阪市福島区福島7-7-24
17:00~23:00
水曜定休


カテゴリー 福島, 寿司 |

Emi shokudou  2月

西成区の玉出にある家庭料理カフェを銭湯の帰りに一人で訪問。こちらもよくヘビーユースする好きなお店。阪堺電気鉄道の塚西駅を北に50m、ライフスーパーの正面の昭和初期に建てられたアパートの1階に位置する。ビニールシートの入り口が目印。オープンして約3年。

10席くらいのカウンターとテラスだけの小さな店で界隈のかっこいい大人の社交場のようになっている。センスのいいマダムが作る温かみのある7〜8種類の大皿に盛り込まれた家庭料理がなんとも言えなく美味しい。女性一人客も多く普通に晩御飯を食べにくる感じ。

盛り鉢の中から鰯の梅煮、南瓜のそぼろ餡掛け、鶏肉せせりのサラダなどを焼酎と一緒にいただく。家庭料理だけど丁寧に作り込んでいるので何をいただいても美味しい。

小さなココットに入れて供される白菜のグラタン。。

タコの唐揚げはハイボールにピッタリ。

焼いたイカの上に卵を落として焼いたもの。シンプルだけどこう言ったものが無性に食べたくなる時がある。この日も美味しく楽しくいただきました。。

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大阪市西成区東玉出2−5−6
090-1905-2234
18:00〜


カテゴリー 塚西, バル, その他料理 |

ひろせ 2月

会社の調理師の研修を兼ねて心斎橋の表記のお店を貸切訪問。難波・心斎橋方面の日本料理では一番美味しいと個人的に思うお店。お店はライブ感のあるカウンター6席と小上がりのテーブル2卓をご主人のひろせ氏とバイト君の2人で切り盛り。

ひろせ氏は西心斎橋のミシュラン店「ゆうの」で修行されたご主人の喰い味とけれんのない上質な食材を丁寧に仕事をした料理は同業者間でも定評あり。ソムリエの資格も持っておられるのでワインと肉料理を合わせる客も多いと聞き及ぶ。料理は以前より少し値上がりをして月替わりの16500円(税別)のみ。

今回は予算の関係で無理を言って14000円税別でリクエスト。

座付きは温かい粕汁から。椎茸に詰めた鰯のつみれが入る。柚子の香りと昆布出汁のしっかり効いた料理屋の粕汁仕立て。

続いて揚げ物が供される。白子を裏漉して作った豆腐をフライにしたものと車海老。豆腐の下には海老味噌が敷かれて雪塩が添えられる。天盛りは一寸豆の素揚げ。

刺身は6種盛りと豪華なもの。天然ひらめと巨大な平貝、甲烏賊と北海道産の雲丹、漬けにした氷見産の鰤、河豚皮の煮凝りなどどれもが一級品。。これだけでお酒が進みまくる。

煮物椀は大きな河豚の身を葛叩きにしたもの。下には玉子豆腐と丸大根と菜の花。塩分を抑えた淡味が光る。

続いて旬の真魚鰹。炭火で皮目をしっかり焼き込んだもの。敷かれたカリフラワーのソースが和風でかなり美味しい。

4時間くらい蒸し煮にした徳島産の鮑は新筍とともに供される。トラディショナルな仕事だけどしみじみ美味しいなあと思う逸品。

肉料理はランプ肉を炭火でカリカリに焼き上げ予熱で火入れしたもの。金柑の入った甘い醤油ソースも秀逸。この時期ならではのちぢみほうれん草も食感がとてもいい。

食事は若牛蒡と釜揚げしらすのご飯。お供のくじらのしぐれ煮がかなり美味しい。

デザートはこの時期のスペシャリティの酒粕のプリン。甘平みかんと共に。。

お酒も好みのものを4種類くらいいただき大満足。ごちそうさまでした。。

過去のひろせはこちら

大阪市中央区東心斎橋2-8-23イケダ会館1F
06-7713-0543
17:00~翌0:00


カテゴリー 心斎橋/四ツ橋, 和食 |