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大和屋 お蕎麦の会2016

毎年お呼ばれする料亭大和屋さんのお蕎麦の会に本年もお招きいただき新蕎麦を楽しむ。

大和屋さんの端正な日本料理と蕎麦のコラボで打ち手は“そば打ちの神様”こと高橋邦弘氏。高齢となり現在は大分の臼杵に住まれていると聞く。大和屋さんも1875年創業なので来年には創業140年を迎えられる。
私の若い頃の記憶では宗右衛門町に能舞台を持つ大料亭として大阪で最も格式の高い飲食店として有名であった。その宗右衛門町の本店は2003年に閉められ現在は大丸心斎橋北館と横浜、東京にお店を出されている。

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先付け前菜はほうれん草、蒸し鮑、蟹身にカボスの果汁で作ったゼリー状の板がかぶせられる。ムッチリと蒸された旨味たっぷりの鮑と上質で甘い紅ズワイ蟹の身のそろい踏み・

別の皿には松ぼっくりの形に剥かれた子芋を蒸して揚げたものと大粒の新銀杏と真魚鰹の西京焼。季節の変わり目にぴったりの献立。

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食事の途中で高橋名人の蕎麦打を見学。カウンターテーブルにきちんとはめ込まれた特製の蕎麦打ち台の前で蕎麦を伸ばして蕎麦打包丁で細かくカットする。すべての所作が美しく手なりに流れるような仕事。うっとりと見とれてしまう。

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茶碗蒸しの器に入った名残の鱧の小吸い物。蕎麦米の入った蕎麦湯のような出汁が特徴。

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お造りは軽く塩をした鯛と剣先烏賊と帆立と北海道の大粒の雲丹。盛りつけも端正で決まりまくっている。

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こちらのお店のスペシャリティの鰻を黒糖で炊いたもの。鰻の八幡巻のような感じだけど甘味を利かせて濃いめの出汁でしっかりと煮込まれている。しかしながら思いのほかさっぱりして後口もとてもいい。

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天ぷらは大振りの活車エビ。添えられた野菜は松茸と大葉。

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最後にメインディッシュの蕎麦登場。今年は北海道の摩周湖周辺の蕎麦の産地の収穫が悪かったとのこと。いつも通りの二八の透明感ある蕎麦には全く雑味がなく舌触りも滑らかで、固くはないけど弾力があってモチッとした食感。小麦が入っているのでのど越しもいい。喉に入ったあとに蕎麦の香りが鼻に抜ける。薬味はいつもほとんど使わない。汁は甘さ控えめだけど関東の汁のように辛くなく柔らかで角の取れた優しい味わい。

普段は香りと味のバランスを考えて複数の産地の蕎麦をブレンドして使用すると言っておられた。

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蕎麦w提供されたあとに名人がご挨拶に来られて口上を述べる。昨年首の骨を骨折したけどどういうわけかそれが繋がって、最近ボチボチ蕎麦を打っているとのこと。25年間ずっと大和屋さんで新そばを打ちにきているとも言っておられた。

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デセールは冨有柿と栗羊羹。羊羹には岩塩がパラリ。
何を食しても上質でいい時間を過ごすことが出来ました。

大丸心斎橋北館13階


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大和屋 おそばの会

そば好きならば誰もが、一度は食べてみたいと願う“そば打ちの神様”こと広島県の「達磨 雪花山房」の高橋邦弘氏が生み出す絶品そばを心斎橋大丸北館にある明治10年創業の大和屋さんの料理と共に味わうというイベントに参加。毎年、新蕎麦の出るこの時期にお呼ばれいただく。

大和屋さんは芸者置屋を母体とするお茶屋として、1875年(明治8年)に宗衛門町に南地大和屋を開業。能舞台を持つ料亭として大阪で最も格式の高い料亭としての地位を築かれた。宗右衛門町の本店は2003年に閉められ現在は大丸心斎橋北館と横浜、東京にお店を出されている。

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日本を代表する老舗料亭の料理と高橋邦弘名人の蕎麦のコラボは今回で24回目と言っておられた。私も今年で4年連続で相伴させていただく。

お店の中に入ると高橋氏がカウンターテーブルにきちんとはめ込まれた特製の蕎麦打ち台の前で蕎麦を伸ばされていた。麺棒は3種類を使い分け丁寧にかつスピーディな仕事は何度見ても飽きない。すべての所作が無駄がなく美しい。このメイプルの麺棒はスポーツ用品のミズノが彼の為に特別に作ったと聞いたことがある。弟子さんと思しき方がその横で水まわしをされていた。それをしばし拝見して着席する。

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献立の最初は水蕎麦。蕎麦をそのまま出汁につけずにいただくという趣向。透明感のある蕎麦が空腹の胃に優しく入っていく。。

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2段になった上の重は銀杏豆腐にズワイ蟹の身を載せたもの。口取りは合鴨ロース煮、カステラ玉子、銀杏松葉刺し、もみじの形をした銀杏煎餅。。造りは塩をあてた鯛。あしらえは白茸に紅葉おろし、スダチとポン酢ゼリーでいただく。

どれも丁寧で食べ応えのあるしっかりとした仕事で料亭の凛とした風格が伺える。

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箱の下段は鰆の吟醸焼きと献立に書かれていたが多分、西京味噌につけたものだと思われる。身はしっとりとして味噌の浸かり具合、火入れもドンピシャ。かつら剥きにした大根はウサギを模している。

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炊きあわせは煮鮑。食材も仕事も素晴しい。丁寧に戻されてコクのある出汁でしっかりと煮込まれている。本当に「美味しいなあ」と思われる一品。鮑の下はもっちりとした蓮根餅。一見中華料理の風情だけど味は完全に和食。かなり研ぎすまされた商品である。

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揚げ物は車エビと穴子の鳴門揚げ、馬鈴薯の三種盛り。どれもがエクセレントな仕事と美味しさ。。

ここで蕎麦が登場。。

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出てきた蕎麦は約2ミリの幅。麺線も美しく色は白く、かつ薄緑に光り輝き、固くなくてモチッとして弾力とコシがあり上品な蕎麦の香りもあとから鼻に抜ける。表皮は完全に取り除かれているのでかなり上品な食味なんだけど芯まで使うので味はかなり深いと思う。名人の蕎麦は薬味は全く不要。。

汁は甘さ控えめだけど関東の汁のように辛くなく柔らかで角の取れた優しい味わい。食べながら蕎麦の味、蕎麦粉と小麦の割合、舌触りとコシ、のど越し、汁を自分の頭のなかにインプット。お替わりもして2枚いただく。

いつものように名人があとから挨拶に来られて蕎麦の解説をする。彼が打つ蕎麦はすべて二八といっておられた。材料の蕎麦は北海道、長野を始めいろいろな地方のものをブレンド。その理由を直接聞くと、その年によって蕎麦の実も出来不出来があり複数の産地で仕入れる事で品質を安定させるらしい。また香りがいいけど味が不足のものなど産地によって個性がありそれを組み合わせる事で最高の蕎麦となると言っておられた。

当然のことながら製粉と水にも徹底的にこだわりそのために東京から広島の田舎に移られたと前に言っておられた。この日使う水も広島から持って来られたらしい。

自身の広島の店の裏に、蕎麦を管理する低温倉庫があり仕入れた蕎麦粉を産地別に分けて水分量を測り、そばの状態が一目で判るようにしていると前に言っておられた。
そのそばを自ら皮をむいて石臼にて製粉する。3キロの蕎麦を1時間かけてゆっくり挽くらしい。芯まで使い切る事が美味しさの秘訣とも言っておられた。

皮むきが徹底しているから蕎麦に雑味がなく色も香りも透明感があるというわけである。
がくを取る作業は邪魔くさく、まるごとひいてしまう店も多い中で彼の仕事は驚異的である。。

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デセールは揚げ蕎麦饅頭。。。ごちそうさまでした・・・

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食事の後はいつものように階下の丸福珈琲店で濃いーコーヒーをいただく。。。

大和屋本店懐石・会席料理 / 日本橋駅近鉄日本橋駅長堀橋駅

夜総合点★★★★ 4.0


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大和屋 (お蕎麦の会)

新蕎麦の出るこの時期毎年恒例のお蕎麦の会にお呼ばれする。場所は心斎橋大丸北館にある明治10年創業の大和屋さん。日本を代表する老舗料亭の料理とその世界では知らぬ人がいないと言われる高橋邦弘名人の蕎麦のコラボは毎年大人気。私も今年で3年連続でいただく。

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献立の最初は水蕎麦。蕎麦をそのままいた出汁につけずにいただくという趣向。本来は御しのぎと言うか箸休めなんだけどあとから蕎麦がたくさん出てくるのを知っているので最初に頂く。。

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透明感のある蕎麦が空腹の胃に優しく入っていく。。ビールを頂きながら2段重になった上段のお造りから頂く。

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軽く一塩をして締めた鯛に焼き松茸。かぼすを絞っていただく。お造りの下には昆布で締めた大根が横たわる。これだけでも大和屋さんの仕事というのが一目瞭然。端正な盛りつけは食するのがもったいないくらい。

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ズワイ蟹の棒肉と蒸しアワビの盛り合わせ。蕎麦で作った松葉の下にはほうれん草の浸し。かかっているソースは柿酢。何とも季節感のある取り合わせである。

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酒肴盛りあわせは味噌を入れて焼き上げたカステラ玉子。河内鴨を串焼きにして山椒をかけたもの。巻大根に銀杏、慈姑など。これも季節感たっぷり。

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焼肴は高級魚の白甘鯛。上に乗っているのは唐墨。火の入り方も完璧。お客さんは結構若い方も多い。。

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炊きあわせとして上質の穴子を柔らかく炊いて海老芋に乗せたもの。餡の加減が完璧すぎる。

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天ぷらは大振りの車エビ。やはりこれが一番美味しい。鱧の鳴門揚げといちじくの天ぷらもこの時期ならではのもの。

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そしてここから高橋名人の世界が始まる。今回は御弟子さん2人をつれて来阪。ニコニコしながらも真剣に蕎麦を作る。名人が作るそばはすべて二八といっておられた。蕎麦はいろいろな地方のものをブレンド。表皮を剥いて丸ごと自家製粉。新蕎麦だけで作ると味が良くないと言っておられた。

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良い材料を使うことが一番とも言っておられた水も汁もすべて広島の自身のお店から持ってきているらしい。また「自分のそばが日本で一番おいしいとは思っていない」という謙虚な意見。「自分が美味しいと思うそばを作り続けている」とのこと・・・

確かに私が美味しいと思う蕎麦は地元でもいくつかあり比較対象することは好みの問題もあり難しい。しかしこの名人の打つ蕎麦は白くかつ薄緑に光り輝いていて細い割りに弾力とコシがあり蕎麦の香りもあとから鼻に抜ける。

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見た目は頼りない感じだけどしっかりと蕎麦が主張する。出雲や福井の単に固い蕎麦とはレヴェルが違う。ただの蕎麦なんだけどアーバンな空気を醸し出す。上質のかつおの香りがする汁も柔らかで思ったよりも辛くなく添加物臭の全くしない尖った部分を感じないものとなっている。

薬味はまったく必要としない。。麺線の整い方も美しくビジュアルも美しい。当然舌の上においたときにざらつきもなく口触りよくスルスルと喉に入る。。

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甘味は蕎麦の実が入ったぜんざい。お昼に洋食での会食があり昼食ダブルヘッダーのために完食できず。しかしよく出来たお蕎麦であった。。。


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